声明・見解

2005年12月3日

【声明2005.12.03】高齢者や国民に過酷な負担を強いる「医療制度改革大綱」に反対し 国民皆保険を守るたたかいを史上最大の規模でとりくもう

高齢者や国民に過酷な負担を強いる「医療制度改革大綱」に反対し
国民皆保険を守るたたかいを史上最大の規模でとりくもう

2005年12月3日
全日本民主医療機関連合会
会長 肥田 泰

 政府・与党は12月1日に「医療制度改革大綱」を決定しました。

 「大綱」は厚労省が10月19日に発表した「医療制度構造改革試案」を基本的に踏襲するもので、財政面での効率化優先、患者負担増など、国の責任による社会保障の理念を根幹から覆す内容となっています。

 今回の「大綱」では国民、特に高齢者への新たな負担増が各分野に盛り込まれています。

 一定所得以上の高齢者の医療費負担を現行の2割負担から3割負担にする、75才以上の「後期高齢者」を対 象として「独立した医療制度」を創設し新たに年間7万円もの保険料を徴収する、医療療養病床に入院する高齢者の食費・居住費を自己負担にするなど、高齢者 にはたえがたい負担を押しつける内容になっています。

 また「大綱」では「医療費適正化」の名の下に、診療報酬体系の見直しを明言しています。

 新聞報道によると、「医療本体部分3%前後、薬価部分で1%以上のマイナス」(11/28読売新聞)とさ れています。いまでさえ、医師・看護師の過密労働など、医療労働の過密化や、安全対策に十分なコストがかけられない中での医療事故があとをたちません。安 全・安心の医療を実現するには、十分な人的体制とそれを支える診療報酬体系の確立が必要不可欠です。

 また「大綱」では医療給付費の伸びを、国内総生産(GDP)などの経済指標にてらして、5年程度ごとの給 付費の伸びを抑制するという考えをうちだしました。景気が悪くなれば必要な医療さえ受けられないという「いのちよりも財政優先」という考え方です。国際的 に見ても少ない大企業の社会保障負担を引き上げることと、高価な薬価や医療機器・医療材料費を見直すことにより、財源は十分確保できます。

 私たちは、国民のいのちと健康を守る立場から、憲法25条に示された基本的人権、生存権を保障し、安心して医療・介護を受けられる国民皆保険制度の改善と拡充を強く求めるものです。

 生存権をふみにじる「医療制度改革大綱」の中身を広範な国民に知らせ、いのちを削る医療制度の改悪を絶対許すわけにはいきません。

 2002年の医療改悪法案(健保本人3割、老人医療費1割定率負担)反対のたたかいでは、全日本民医連独自で350万筆、日本医師会など含め全体で3000万筆をこえる署名をあつめ、廃案にあと一歩のところまで迫りました。

 今回の改悪の企みは国民皆保険制度の根幹をくずす、史上最悪の改悪です。

 私たちは全ての国民、市民団体をはじめあらゆる団体・個人によびかけ、02年度のたたかいを上回る史上最高のとりくみをすすめる決意です。

 「学び、たたかい、成長」し、史上最大のたたかいをすすめ、この企みを国民の力でうち破りましょう。

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