民医連新聞

2004年3月15日

第8分科会 医師養成と職員育成のとりくみ、他

 代議員七五人が参加し、経営困難組織支援規定や議案への質問も含め、のべ六一人が発言しました。
 第二章・情勢の部分では、「人権のアンテナの感度を高めよう」との総会方針案の提起を積極的に受け止めた発言がありました。石川からは、「特養待機者の 会」をつくり、共感と連帯の輪が広がり、マスコミでも取り上げられ、県や市の特養建設計画が拡充された、との報告がありました。千葉からは、国保料の自動 引き落としがされていたにもかかわらず、過年度の滞納があったために資格書になってしまった事例が報告されました。静岡からは、無保険で受診した患者さん の治療費が高額なため、市役所に連絡し、患者さんが出向いたところ、「四〇万円を即金で払わなければ国保証は渡さない」といわれ、職員が交渉し、月三〇〇 〇円の支払いで短期証を発行させた事例が報告されました。
 第一章「二年間のとりくみ」の部分では、医療の質、安全性、医療倫理の問題が多く発言されました。また第三者評価の受審に関する発言がいくつかの県連か らありました。「受審のプロセスの経験そのものに意義がある」「職員の育成にも役立っている」との報告がされました。民医連のなかで数多くの経験が蓄積さ れてきており、一定の基準を検討するための交流の機会をもってほしい、との要望も出されました。

*   *

 「医師養成と職員育成」では、医師の大量退職を経験した東京や埼玉、宮城から、医師管理の重要性に ついて「方針を支持する」との発言がありました。東京からは、管理運営にあたる幹部医師の時間保障が、埼玉からは、医師の評価育成面接の重要性が強調され ました。一方、山梨からは「管理医師の時間保障には限界がある」との悩みが語られ、「系統的な医師人事政策が必要だ」と報告されました。兵庫からは「育成 面接と評価基準について、民医連としての交流が必要ではないか」との提案がされました。
 研修改善の課題では、東京から無差別平等の医療実践への共感をつくる大切さがのべられました。また、民医連看護の優位性を看護師があらためて学び実感す ることが、研修医にも良い影響を与えることなどが、報告されました。奈良や大阪からは、指導医の役割の重要性とともに、体制をとることの困難さが報告され ました。また、いくつかの県連から、医師臨床研修制度が変わって、民医連運動の後継者としての医師を育てるために、あらためて本道に立った医学対活動を重 視していこうと、強調されました。
 青年職員の育成についても発言がありました。石川では、青年プロジェクトで働きがいの調査を行ったところ、二年目以降で急速に現実と理念との乖離が生 じ、燃え尽きやすくなっていること、三年目以降の青年職員への気配りが必要なことがわかりました。奈良は、ジャンボリーがとりくんだ「ルーツを探る」につ いてのべました。青年職員の成長と確信になっただけでなく、院所全体にも大きなインパクトを与えた、今後中堅職員研修に役立てていく、とのことでした。
 また、複数の代議員から「育ち・育ちあう職場づくり」の方針案に対して「強く共感した」との意見が表明されました。
 職員の健康問題について、石川から発言があり、「メンタルヘルスの担当者がいることが重要で、管理部が専任者の配置を行うことを補強してほしい」との要望が出されました。
 いずれの発言も地域の状況や各県連・事業所の具体的な活動を報告しており、総会方針を補強し、深めるものでした。(山梨県民医連、代議員・遠藤隆)

(民医連新聞 第1328号 2004年3月15日)

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