民医連新聞

2004年3月15日

特別決議 共同の力で平和と憲法を守る運動を地域から大きく広げよう

総会三日目、本会議で次の特別決議を採択。

 小泉内閣は、こともあろうに太平洋戦争開戦六二周年の翌日である昨年一二月九日、イラクへの不法な占領を続けるアメリカを支援するために自衛隊の派兵計画を閣議決定、すでに重火器で武装した自衛隊を戦乱の続くイラクに派遣しました。
 イラク戦争の最大の「大義」とした大量破壊兵器はいまだ見つからず、アメリカの調査団長であったデビット・ケイ氏自身が、「大量破壊兵器は発見できな かった」「大量の化学兵器が存在しているとは思えない」「もともと保有していなかった」と公言、この戦争が「大義」のない侵略戦争であることは明らかと なっている中での暴挙であります。
 国連加盟国一九一カ国の中でもアメリカの軍事行動に参加している国は、五分の一の三八カ国でしかありません。国際的な支持もなく、うその情報のもとで不 法に他国を占領するアメリカ軍の軍事作戦への支援の強行が、日本の軍事大国化へ突き進む危険をも広げています。
 我が国は「交戦権の行使」「武力の行使」を固く禁止している世界に誇るべき憲法を持っています。不法な占領により戦争状態が続く地域に武器を持った自衛 隊が占領者に協力し参加するなどということは、自らが占領者の一員となることを意味することであり、憲法違反の行為であることは誰が見ても明らかです。
 重大なことは、明確な憲法違反を強行しながら、一方で憲法改悪への日程表を「公約」していることです。イラクへの派兵に見られる異常な政治を、憲法を変 えることで合法化しようとするきわめて危険な企みであり、断じて許すことはできません。
 戦後、新しい憲法のもとで、日本は戦争をしない国として世界平和に貢献してきました。時どきの政府によるアメリカへの追随姿勢のもとでも、憲法九条が歯 止めになり、直接戦争行為に参加することなく、他国の人びとを殺戮することはありませんでした。核兵器も持たず、武器輸出も禁止されてきました。この憲法 を守ることは、今日この国に生きるすべての平和と民主主義を求める人びとにとって、最重点の課題となっています。
 「戦争はいのちをもっとも粗末にする行為です。いのちを大切にし、連帯し、助け合う社会の対極にあります。私たち民医連は平和と憲法を守り、国民の医 療・福祉への要求、権利の実現のために、多くの医療関係者、国民と力を合わせて奮闘します。」私たちは、本総会にてこの決意をあらためて固めあいました。
 自公政権のもとで、社会保障が解体される重大な事態が進行し、くらしが破壊されています。平和を破壊する憲法改悪の道は、このような悪政と一体のものと して準備されています。一人ひとりのいのちを守るために、日夜をわかたず力を合わせ研鑽・努力をすすめる私たち医療従事者は、その社会的使命としても、こ の暴挙を阻止するためにあらゆるとりくみを行わなければなりません。
 職場・地域で、「自衛隊はただちにイラクから帰れ」の声を、急いで大きく広げていきましょう。
 すべての職員が、共同組織の仲間とともに、「憲法」学習運動を展開し、職場・地域に憲法を語り根づかせるとりくみを強めましょう。
 日常の社会保障を守る運動を憲法を守る運動と結びつけ、医療・介護・福祉関係者の中で、「憲法を医療・福祉に生かそう」の運動を広げましょう。
 教育基本法改悪など、憲法改悪につながるすべての企みに反対する運動に積極的に参加しましょう。
 当面する参議院選挙をはじめとした国政選挙の機会を通じて、憲法改悪勢力が推進する政治にストップをかけ、政治の流れを変えるための運動を広げましょう。
 右決議します。

二〇〇四年二月二八日
全日本民主医療機関連合会第三六回定期総会

(民医連新聞 第1328号 2004年3月15日)

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