いつでも元気

2008年2月1日

カムカム健康法(26) 入れ歯(義歯)のはなし(2)

江原 雅博(愛知・みなと歯科診療所)

 痛い、噛めない、外れる…。歯並びや見た目も含み「あわない入れ歯」ということをよく聞きます。

患者さんの期待と現実
 「よし、これから食べられる」と、期待して入れ歯が完成。しかし、期待と現実は一致しません。もごもごしてうまく食べられない。「えーい、こんな入れ歯いらない」と、すぐにあきらめてしまう方がいます。
 入れ歯は、完成までが半分、それからリハビリが始まるのです。初めて自転車に乗ったときのことを思い出してください。自分に合うものを買ってきても、す ぐ乗れましたか? 補助輪をつけ、練習し、そうしてやっとサイクリングにも出かけられるようになったはずです。すぐ乗りこなせないからとあきらめていた ら、自転車に乗れなかったはずです。

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金属部分床義歯

面倒でも何回も調整して
 私たちにとっても義歯は難しいものです。歯科医の経験や力量、入れ歯を作る技工士さんの力も大切です。歯が残っている場合は、どれだけしっかりしているかをみて、歯の位置、歯ぐきの丈夫さ、顎の形などを考えて作ります。
 しかし、義歯は使えないといけません。患者さんがどんな食事を、どのように食べて痛みが出たのか、どう外れるのかを教えてもらわないとわかりません。 怒って「痛い、使えない」としか、いわない患者さんもいます。気持ちはよくわかります…だって食べられないストレスは大きいですからね。
 でも、入れ歯は患者さんとの共同作業なのです。何度でも調整にきて、注文をつけてください。歯科医の方も、調整を面倒くさがるようでは、「使える入れ歯」はできません。「入れ歯の名医」といわれる先生は、経験以外に「聞き上手な人」が多いようです。

初めての方は「保険の入れ歯」を
 入れ歯を保険でつくるか、自費にするかも悩むところでしょう。床の部分を薄く丈夫にするために金属にしたり(図)、バネのない入れ歯や磁石つきの入れ歯など特殊なものは自費になります。
 保険では使う材料が決められていますが、初めてつくる方は「保険の入れ歯」をお勧めします。体験してみないとどんな入れ歯が自分に合うのかわからないからです。保険で総義歯にした場合、三割負担で約一万円です。
 もっと「保険がきく範囲を広げてほしい」。これは患者さんだけでなく歯科医の要求でもあります。

いつでも元気 2008.2 No.196

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