くすりの話

2008年7月1日

くすりの話 107 日焼け止めの効果的な使い方

Q:どうして日焼けがいけないの?

A:日焼け自体は悪いことではありません。照りつける太陽で焼けた肌も、時間の経過とともに生まれ変わり、肌の色も元に戻ります。ただ、太陽光を浴びすぎてしまうと、皮膚が生まれ変わる作業が追いつかなくなり、体に悪影響を及ぼします。
 日焼け後は、肌が火照り、紫外線や熱によるダメージを受けているので、まず冷やすことが大切です。最初は水でも構わないので、肌を冷やし、そのあと十分 な化粧水(保湿)を与えましょう。放っておくと、メラニン色素が活発に働き、シミやくすみの原因になってしまいます。

Q:「PA」と「SPF」の違いって何?

A:紫外線には、波長の長いUVA、短いUVBなどがあり、私たちが浴びる紫外線の99%はUVAです。UVAは肌の真皮まで届き、コラーゲンなど肌の弾力を保つ成分を破壊し、しわやたるみの原因をつくります。また、ヒアルロン酸も分解し、肌の乾燥の原因にもなります。
 UVBは肌の表皮を攻撃し、しみ・くすみの原因のメラニン色素を増やし肌の老化現象を起こす原因になります。
 PAは、Protection Grade of UVAの略で、紫外線A波を防ぐ指標です。PAは「+」で強さをあらわし、+~+++まであり、+が多いほどUVAの防止効果が高くなります。
 SPFは、Sun Protection Factorの略で、UVBを防ぐ指標、「紫外線防御指数」のことです。何も塗らない状態と比べて、どれくらいで皮膚が赤くなりヒリヒリするかの時間を測 定した値です。個人差はありますが、一般的に、日本人の肌ではSPF値×20分が紫外線を防止できる目安の時間になります。
 PAとSPFの値が大きいほど、日焼け止めの効果が高いことになりますが、効果の高い日焼け止めは、紫外線から皮膚を守るだけでなく、逆に、肌に負担もかけるので注意が必要です。

Q:日焼け止めの選び方や注意点は?

A:まず肌に合う日焼け止めを選ぶためにパッチテストをしましょう。腕の内側など目立たないところに薬液を塗り、2日後に赤くなったりかゆくなったりしていないかどうかを確かめます。
 日焼け止めの成分には2種類あり、紫外線を肌の表面で吸収して被害を少なくする紫外線吸収剤と、反射させて届かなくさせる紫外線散乱剤があります。ただ 吸収剤は肌荒れの原因になり、散乱剤は肌の乾燥を引き起こす原因となることがあります。
 日に当たるのが1日20分程度の人なら、毎日日焼け止めを使う必要はありません。クリームやローションが一般的ですが、スプレータイプは、髪にもシュッ とひと吹きでき、化粧の上からも使えますので、肌の潤いを簡単に保つことができます。暑い日は汗で日焼け止めが落ちてしまうので、2~3時間おきに塗り直 すと効果的です。

いつでも元気 2008.7 No.201

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