Dr.小池の世直し奮戦記

2008年12月1日

Dr.小池の国会奮戦記 “バクチ経済”のツケ国民にまわすな! ルールある資本主義の構築こそが急務

 世界の経済が大混乱です。アメリカで株価が大暴落すると、一気に日本でも急激な株安、円高に。

7年間で500億円の報酬!

 なぜこんなことになったのか。発端となった「サブプライムローン」では、返済のあてのないような住宅ローンが「優良証券」のように偽装されて、全世界に ばらまかれました。「レバレッジ」という、元手の何十倍もの取引もはびこりました。当たれば大もうけですが、外せば巨額の損失。まさに“バクチ”の世界で す。
 大もうけした人たちもいます。破たんした「リーマン・ブラザーズ」の経営者は7年間で500億円の報酬を得たそうです。規制する側のポールソン米財務長 官も、就任前は「ゴールドマン・サックス」の経営者で、100億円以上の報酬を得ていました。バクチの胴元だった人がバクチの取り締まりをやろうとして も、うまくいかないはずです。
 今の経済危機は、「バクチ経済」「カジノ経済」の破たんです。こうした経済のあり方を根底から見直さずに「公的資金を投入」しても、穴のあいたバケツに入れるようなものですから、お金はいくらあっても足りません。問題の解決も遠のきます。

大量リストラのトヨタは

 サルコジ仏大統領が「ルールある資本主義をともに再構築しよう」と述べたように、国際的なルールづくりは待ったなしです。
 ところが日本では、バクチのツケを、労働者や中小企業に押しつけるという、絶対にやってはならないことが始まっています。
 トヨタなどの大企業では、派遣社員や期間社員に対する大量のリストラがおこなわれています。労働法制の規制緩和によって、紙切れ一枚で「雇い止め」「契 約解除」できるようになったからです。しかし、こんな時にリストラの嵐を吹き荒らすのは、大不況を呼び込むようなものです。
 トヨタは「販売不振」といいながら1兆円以上の利益を上げる計画ですし、貯め込んだもうけは13兆円です。リストラに道理はありません。
 かつて「経営者よ。首切りするなら切腹せよ」といった人がいました。ほかならぬ、当時の日本経団連会長、トヨタの奥田碩前会長です。忘れてしまったのでしょうか。

内需に効く社会保障の拡充

 中小企業への貸し渋り、貸しはがしや、下請けたたきも許せません。金融機関にはこの10年間で47兆円の公的資金が投入されましたが、中小企業への貸し 出しは100兆円近く減らしています。その一方で、アメリカの金融機関「救済」のためには巨額の支援をしようというのですから、とんでもありません。
 銀行には中小企業にお金を回す責任があります。法人税だって払ってもらわなければいけません。今こそ「痛みに耐えてがんばれ」です。
 冷え込んだ内需を温めるために、一番いいのは医療・年金・介護など社会保障の抜本的な拡充です。「弱きを助け、強きをくじく」本当の政治の力が必要です。


■こいけ・あきら 1987年東北大卒業後、東京民医連で小豆沢病院、代々木病院などに勤務。内科医。1996~2004年全日本民医連理事、1998年から参議院議員。

いつでも元気 2008.12 No.206

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