くすりの話
2008年12月1日
くすりの話 110 「目薬」の正しい使い方は?
Q:目薬の上手なさしかたを教えてください
A:「2階から目薬をさす」ということわざがあります。これは効果のおぼつかない例えですが、実際、点眼薬(目薬)を正しく使うには、次のような注意が必要です。
(1)手を石けんでよく洗う。(2)下まぶたを軽く引き、1~2滴を確実に点眼する。このとき、容器の先がまぶたやまつげに触れないように注意する。 (3)点眼後は、しばらくまぶたを閉じるか目頭を軽く押さえる(ただし手術後の方は、傷口に触れることもあるので目を閉じるだけにする)。(4)あふれた 点眼液は、清潔なガーゼやティッシュでふきとる。
お子さんに目薬をさす場合は、点眼薬に対する恐怖心を取り除いてあげ、点眼する方のやりやすい方法でさせばよいでしょう。点眼時に目をつぶってしまう場 合、仰向けに寝かせ、目のまわりを拭いてから目頭付近に点眼します。まばたきすると目薬が目の中に入っていきます。また、泣いている最中は、涙で目薬が流 されてしまうので、点眼を避けましょう。
リウマチなどで手に力が入らず点眼しにくい方のために、メーカーによっては同じ成分のものが、力の入りやすい容器で出ています。また、テコの原理で容器 を押す「点眼補助具」もありますので、医師や薬剤師に相談してみてください。
Q:取り扱いで注意することは何ですか?
A:懸濁型(濁って いるタイプ)の点眼薬は、よく振ってから使用してください。2種類以上の点眼薬を使っている場合は、十分な効果が得られるように、5分程度間隔をあけてか ら点眼するように心がけましょう。懸濁型のものや粘度の高い点眼薬には10分以上の間隔が必要なものもあるので、最後にさすとよいでしょう。
目薬をさしたあとは、しっかりとキャップを閉め、直射日光を避け、なるべく涼しい場所に保管しましょう。「冷暗所保存」となっている場合はもちろん指示 に従いますが、冷凍庫には入れないでください。また、救急箱などに保管する場合は、シップ薬などの芳香成分が目薬に吸着することがあるので、一緒に入れな いようにしましょう。
容器に記載されている「使用期限」は開封前の期限です。開封後は1カ月を目安に考え、濁りなどが見られたら1カ月以内でも廃棄してください。
点眼薬でもぜん息が悪化したり、眠気が出たり、全身性の副作用が起こる場合があります。薬に添付されている情報提供書はよく読んでおきましょう。
Q:「眼軟こう」というのもありますね…
A:眼軟こうも使用方法はほぼ同じです。(1)手を石けんでよく洗う。(2)清 潔な綿棒でチューブから軟こうを少し取り、下まぶたを軽く引き、下まぶたに薬をつける。(3)目を閉じ、軟こうが溶けて全体に広がるまで少し待つ。(4) 眼の外にあふれた軟こうは清潔なガーゼやティッシュでふきとる。
いつでも元気 2008.12 No.206
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