民医連新聞

2004年4月5日

”いつか基地のない平和なコースで走りたい” 沖縄で自転車平和リレー

 2月13~14日、沖縄民医連青年ジャンボリーは沖縄医療生協労組アクトとの共催で「第4回自転車平和リレー」を行いました。青年を中心に のべ70人が参加。ここには、全国青年ジャンボリーを通じて知り合った、山形、香川、熊本の青年も参加しました。その様子を沖縄民医連の比嘉瑞己さんに寄 稿してもらいました。

 イラク派兵反対ポスター、寄せ書きでデコレーションした併走車とともに、自転車六台が沖縄県北端の国頭村辺戸岬 をスタート。国道五八号線から「やんばる」を抜けて、リゾートホテルの並ぶ恩納村へ。東アジア最大の嘉手納基地や普天間基地など、金網が延えんと続く中南 部を通り、糸満市の平和祈念公園がゴール地点。沖縄本島を縦断する全長一二〇キロのコースを二日間で走り、参加者同士が交流し、「平和」について考えまし た。

 出発式の初日は、五キロごとに自転車の乗り手が交替し、普天間基地の移設候補地、辺野古に到着。東京から辺野古へきて、新基地建設反対運動をしている「命を守る会」の青年、富田晋さんから話を聞きました。

 富田さんは、「命をかけて辺野古の海を守りたい」というお年寄りに出会い、心打たれて、この活動に参加したと話 しました。また、新基地建設問題で、人口一五〇〇人の小さな集落が「賛成」「反対」の二つに分断されたこと、新基地建設について住民に十分な説明もしな い、意見も聞かない政府、自治体の姿勢を批判していました。

 「基地をつくらせないために、私たちにできることは」と質問すると、「署名、カンパ、デモ、集会など、何でもい いから行動を起こすことが大事」と。富田さんのような青年がいることに励まされ、「この自転車リレーも立派な平和へのとりくみの一つなのだ」と、大きな確 信にしました。

 二日目、「安保の見える丘」「韓国の塔」などへ。ここでは、青年職員がガイドになり、基地や戦跡について学習しました。途中、嘉手納の「道の駅」で県連事務局長や職場の仲間たちが激励。その日の夕方、平和祈念公園にゴールしました。

 帰りに「魂魄(こんぱく)の塔」へ立ち寄り、第30回全国青年ジャンボリー参加者全員から預かった「平和へのメッセージ入り折り鶴」を捧げて黙祷。その後、沖縄協同病院へ戻り、交流しました。

 このとりくみは今回で四回目ですが、依然米軍基地の周りを走らなければならない現実に怒りを覚えます。いつか、基地のない平和なコースで走ることが、みんなの願いです。


 いっしょにやろうよ!(参加者の声)

*平和学習が参加のきっかけに

 2回目の参加。きっかけは、ジャンボリーの学習で平和を考える機会を持ったこと。沖縄という土地がらも あって「平和のために何かしたい」と思っていました。憲法改悪やイラクへの自衛隊派兵など、いま戦前に戻る動きになっています。私たちの活動が、そうさせ ないきっかけになると思う。新人職員の皆にも、平和や政治について真剣に考え行動する力を持ってもらいたいと思います。(沖縄協同病院・大城 工、歯科医師)

*平和の思い深めたくて

 私も2回目です。沖縄の基地、平和の問題で、「私たち若者がもっと動かなければ」「仲間たちと平和の思い を深めたい」と参加しました。自転車リレーでは、辺野古で出会った青年の話に心打たれました。新入職員の皆さんに、いきなり平和の問題は難しいかもしれま せん。でも、社会人になったのですから、政治、環境など何でもいい、目を向けて考えてほしい。行動に移してほしいと思います。(那覇民主診療所・玉城陽 子、介護福祉士)

*沖縄を知りたくて

 沖縄から送られてきた「自転車平和リレー」の案内をみて、初めて参加しました。自転車で沖縄をまわって、 米軍基地に支配されている現状がよくわかりました。憲法9条で戦争放棄している国なのだから、武器や基地を保有してほしくないとあらためて思いを強くしま した。(熊本・八代中央クリニック・堤 直子、事務)

(民医連新聞 第1329号 2004年4月5日)

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