民医連新聞

2004年5月17日

安全・安心の医療をもとめて(21) 東京・健友会訪問看護ST群

訪看ステーションでの安全対策を見直す

 【東京発】健友会には四つの訪問看護ステーションがあります。この間、所長会議で話しあい、在宅で安全・安心の医療ができるよう、業務を振り返り、小さなことでもインシデント・アクシデントレポートを書こうと意思統一し、努力をはじめています。

 きっかけは、東京民医連の「在宅分野における安全対策」学習会でした。健和会の宮崎和加子さんの書いた『在宅ケアにおけるリスクマネジメントマニュアル』(看護協会出版)に基づくリスクマネジメントの講義を受け、事故発生時にどう対応するか、討論しました。

 アクシデントが起こった時の対応を、漫然と考えていた私にはショックでした。一般に「リスク」というと、医療上のミスばかり考えがちですが、在宅医療では、ステーションから家までの移動中の事故、患者・利用者宅での物品破損まで含まれています。

 「安全性を追求することは、患者と医療者の両者を守る意味がある」と、再確認、そして講師が話した「あがってくるレポートを宝にして、リスク一つ一つを基準化しましょう」という言葉を受け止めました。

 さっそく所長会議で「私たちは患者さんとの信頼関係の土台づくり=安全性の問題、を甘く見ていたのではないか?」と問題提起。実際、これまでは、アクシデントレポートは書いても、インシデントレポートはほとんど書かれていませんでした。

 いま、各ステーションで、何をインシデントとするのか、業務の具体例を振り返りながら、意識的な発見に心がけて います。話しあえば、訪問の組み落としを見つけたときなども、「これもそうだよね」と、あがってきます。判断しづらいケースの相談もよく来るようになりま した。管理者も困るときは、逆に皆に報告し、いっしょに考えることにしています。

 時間が経つにつれ、慣れてしまう患者さんとの関係をひきしめ、集中力を高めようという姿勢に変わってきました。(内 孝子、上高田訪問看護ステーション)

※東京民医連『西南ブロックニュース』より

(民医連新聞 第1332号 2004年5月17日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ