民医連新聞

2004年6月21日

6・5シンポジウム シンポジストの発言から

被害者を構成員に
医療事故の公開・開示を求める市民の会 勝村久司事務局長

 カルテ改ざんや偽証などの医療犯罪と、医療事故が混在している。不幸にして事故を起こした医療者が情報を公開し て謝罪し、再発防止をしているのに、マスコミでは犯罪として報道される。これらを第三者機関で整理し、良心的な医療者を守ってほしい。第三者機関には被害 者代表が構成員として入る必要がある。その点も大事にしてほしい。

組織の結びつきで可能に
宮城・長町病院、水戸部秀利院長

 警察は、医療事故を犯罪捜査として扱い、特定個人の過失にしがち。これでは、全容解明と予防策にならない。患 者、家族、医療者側からも相談でき、公正に調査し、調停機能を発揮でき、被害者を早期救済し、事故分析の結果を公開して再発予防に結びつける。これが、第 三者機関の基本的役割だ。いくつかの組織が結びつき、機能を担うことも可能ではないか。

求償軽減・免除の導入も
加藤良夫弁護士(南山大学教授)

 医療事故被害者の願いは、(1)原状回復、(2)真相究明、(3)反省、謝罪、(4)再発防止、(5)損害賠償 の五つにまとめられる。医療事故防止と被害者救済を一体で行う「医療被害防止・救済センター構想」を考案、愛知県ですすめている。被害者補償、事故情報の 集約と教訓化、行政へ政策提言などを行うもの。誠実に対応する医療者は、求償を軽減・免除することも必要と考える。

裁判外処理法をつくろう
大阪・医真会、森 功理事長

 医療事故の解決には、裁判と裁判外での処理方法がある。裁判外処理法を日本で実現させたい。そのためには、患者 の権利法、医療情報公開法、医師会法、無過失補償法などを整備することが必要だ。また、医療事故の鑑定方式を確立し、医療事故を起こした医療者には懲罰よ りも、再教育を優先させる制度を整備する必要がある。

(民医連新聞 第1334号 2004年6月21日)

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