民医連新聞

2004年7月5日

安全・安心の医療をもとめて(24) 大分・つる訪看ステーション

在宅入浴の改善策を考えた

 つる訪問看護ステーションでは、在宅患者の入浴時の安全性について、改善策を考えました。同ステーションでは、一カ月のべ二五〇件の訪問看護のうち、入 浴介助は八〇件。なるべく安全に入浴できるよう注意していましたが、スタッフからは不安の声があがっていました。そこで、患者さんや家族、看護師に入浴に 関するアンケートをとりました。

 結果、利用者側は看護師がいることで安心しているが、看護師側には「危険で不安」の回答が多く、安全性の認識が利用者と介助者で違うことがわかりました。

 看護師がとくに強く不安を持っていたのは、移動に関する項目です。「不安、やや不安」をあわせると、「浴槽まで の移動」が六二%、「浴槽に入れる時」が八二%、「浴槽を出る時」が七七%でした。また、入浴がひきがねになって患者さんが急変しないか、などの不安もあ りました。

 改善策として考えたのは次の項目です。まず、他職種との連携強化。訪問看護の指示書には入浴についての項目は特にありません。入浴の可否の確認や留意点など、主治医からアドバイスを受けることにしました。

 そして、適切な補助具を利用すること、入浴開始前に患者の体調やADL、浴室など全体調査をして評価する。安全 な介助方法を文献で学ぶとともに、個々の患者について、脱衣や移動の手順などを検討。利用者側にもADLの低下などによっては入浴も安全な方法に変える必 要がある、と理解してもらうこと。また、腰痛予防など介助者の健康管理、でした。

 こうして考えてみると、自宅入浴の安全には、医療面での注意や介助の工夫だけでなく、介護保険で使える補助具を増やすことや、住宅改善費用の枠など行政への働きかけも課題です。

 ちなみに法人では、昨年春から入浴サービス事業を始めています。

(民医連新聞 第1335号 2004年7月5日)

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