声明・見解

2008年9月24日

【声明2008.09.24】原爆症認定集団訴訟・札幌地裁判決についての談話

2008年9月24日
全日本民医連被ばく問題委員会委員長 聞間 元

 9月22日、札幌地裁は、原爆症認定申請の却下の取り消しを求めて提訴した7名の原告に対し、事実上全員勝訴の判決を言い渡した。
 7名の原告のうち判決を待たず認定された3名を除いて、勝訴した4名はすべて非がん疾患であり、2km被爆のB型肝硬変、1.85km被爆の高血圧と慢 性C型肝炎、3.0kmおよび3.5km被爆の慢性甲状腺炎(橋本病)である。
 判決内容では、慢性肝炎や肝硬変はもちろん、高血圧についても統計学的に有意な線量反応関係があることを認めた。
 慢性甲状腺炎については、有意な関連が認められなかったとする調査報告があるという国の主張に対し、こうした統計には「高線量被曝者の生存者が少なく なっていることが少なからず影響していることは否定できない」として退け、放射線起因性を認めた。
 このように、「新しい審査の方針」で積極的認定から外された非がん疾患の原告を全員認定したことは、現行の認定行政そのものへ根本的な疑問を提示したも のであり、今後の原爆症認定訴訟にとっても大きな意義を持つものと考える。
国は控訴せず、「新しい審査の方針」を抜本的に改定し、ただちに原告全員を救済すべきである。
 全日本民医連医師団、被ばく問題委員会は一日も早い全面解決を求め、引き続き全国の被爆者とともに奮闘することを決意するものである。

以上

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