いつでも元気

2010年4月1日

くすりの話 123 薬の値段(薬価)について

genki222_04_01 公的医療保険で受診したとき、病院・診療所や保険薬局で患者がもらう薬の値段(薬価)は誰が決めているか、ご存じですか。
 診察料や技術料などと同じく、国(厚生労働省)が決め、2年に1度の診療報酬改定の際に見直します(薬価改定)。
 病院などが医薬品卸業者から仕入れる価格(実勢購入価格)は、卸業者がつけたもので、薬価より安くなります。そこで診療報酬改定の際に、市場の実勢価格 を調査し、薬価と一定以上差があれば薬価を調整します。今年4月の薬価改定では、全体で5.75%下げられる予定です。

「薬価」はどうして決められる?

 新薬が保険診療で使われるようになるには、各種の試験を経た後、国の承認を得る必要があり、この時に薬価も決められます。日本における薬価の決め方には、次の2種類があります。
 (1)類似薬効比較方式…対象となる病気や薬の作用などが似た薬がすでにある場合の決め方。既存の薬の1日薬価(1日服用分の薬価)を基本に、その新薬が効果的か、画期的かなどを評価し、さらに外国の薬価とも比較して決めます。
 (2)原価計算方式…新薬と既存の薬が比較できない場合の決め方。製薬企業が提示する製造(輸入)原価、販売や流通の経費などから薬価を決めます。

ジェネリック医薬品の薬価はなぜ安い?

 ジェネリック医薬品(後発医薬品)とよばれる薬の価格は、なぜ新薬より安いのでしょうか? ジェネリック医薬品とは、新薬の特許期間(20~25年)が 切れた後に出される、同じ成分・効果をもつ薬です。したがって、新薬のような研究開発費がかからないため、ジェネリック医薬品の薬価を決める場合、新薬の 薬価の70%からスタートします。このため新薬よりも安くなるのです。
 さらにジェネリック医薬品は市場獲得を狙うため、より安く販売される傾向にあります。そのためジェネリック医薬品の方が薬価改定を経るごとに薬価が下がる傾向にあります。

国民が納得できる薬価制度と薬価の確立を

 薬の値段の妥当性を考えた場合、何をもって高い・安いといえるのか、現状では誰も正しく答えられないでしょう。しかしほとんどの製薬企業が他の製造業な どと比べ、異常に高い利益をあげていることや、医療費の約3分の1を薬品費が占めていることを考えると、薬価(とりわけ新薬)は高すぎると思われます。
 かつて筆者は、同じ高脂血症治療薬の薬価を日本とEU諸国との間で比較したことがありますが、日本の薬価はEU諸国に比べて平均で3倍以上も高くなって いました。せめて日本の薬価の水準をEU諸国並みにし、ジェネリック医薬品の使用をさらに伸ばせば、医療費の削減と患者負担の軽減につなげることができま す。薬価の決め方を国民・患者が納得できるものとし、薬価も全体として引き下げることが望まれます。

いつでも元気 2010.4 No.222

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