声明・見解

2008年10月15日

【声明2008.10.15】原爆症認定集団訴訟・千葉地裁の判決について

2008年10月15日
        全日本民医連被ばく問題委員会
委員長 聞間元

 10月14日、千葉地裁は、第一次原告4名のうち、「新しい審査の方針」で未認定であった2名について原告勝訴の判決を言い渡した。
 この結果、被告である国は、新しい基準を採用したこの4月以降も2高裁4地裁で敗訴を繰り返す結果となった。こうした事態は、国の「新しい審査の方針」が間違っていることを司法が判断したということである。
 今回の判決で特筆されることは、「新しい審査の方針」が積極認定の対象としていない肝機能障害(C型肝硬変)と脳梗塞後遺症、「新しい審査の方針」でも認定しなかった陳旧性心筋梗塞を認めたことである。
 肝機能障害(ウイルス性慢性肝炎や肝硬変)については、今回の判決も含め、これまでのすべての判決が放射線起因性を認めている。
 にもかかわらず、国は肝炎の発症から進行悪化における放射線の影響を否定する主張を崩しておらず、肝がんの発症に影響はあっても肝炎の進行には影響はな いとの非科学的な立場に固執しているが、今回の判決を真摯に受け止めなければならないであろう。
 私たちは、国が原告被爆者の救済をいたずらに長引かせるだけの控訴という愚挙を繰り返さないよう強く要求する。そしてただちに全国の認定訴訟の全面解決のための具体的な話し合いに入ることを要求する。
 また厚生労働大臣に対し、「新しい審査の方針」の抜本的見直しを強く求める。
 全日本民医連は、各地の認定訴訟の全面勝利のために全力を尽くすとともに、引き続き被爆者医療の充実のために奮闘する決意である。

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