民医連新聞

2004年8月2日

安全・安心の医療をもとめて(26) 長野・健和会病院

生体検査時の安全性を工夫して

 長野・健和会病院ではミスや事故を起こさないために試行錯誤する中で、生体検査時の事故防止について、担当者が意見を出し合い、対策を練っています。いくつかの工夫を紹介します。

[マスター負荷心電図検査であやうく転倒…]

 「高齢者のマスター負荷心電図検査の時、患者が階段の上段でふらつき、あやうく転倒しそうになった」、そんな経験をしている検査技師さんは、多いのではないでしょうか?

 この事例の患者様は、膝に痛みがあり、足もともおぼつかない状態でした。実際この他にも、高齢者での負荷中のふらつきを起こす例はたくさん経験しています。このような日常検査での気づきから、スタッフが意見を出し、階段横の壁に手すりを付けることにしました。

 手すりがあることが、患者様にも安心感を抱かせ、安心して検査に臨んでいる気持ちが、こちらにも伝わってきます。

 マスターW負荷では、危険だと思われる患者様には、より安全なTM(トレッドミル)検査をおすすめしています。TM検査は、負荷量が自由に変えられる、心電図モニターや血圧を常に監視しているなど、安全性も高いからです。

 さらに、負荷方法も、一般用と高齢者用プログラムの他に、当院独自の中間型プログラムを作成し、患者様に急激な 負荷がかからないように工夫しています。今では、この方法を使う頻度が多くなり、検査中の事故防止にかなり役立っていると確信しています。また、安全を考 慮し、負荷中は必ず二人以上の技師がつくことを基本としています。

 「手すり」という点ではこんな所にもつけました。それは眼底検査です。手足の不自由な患者様や、当院のように高齢の患者様が多い事業所には大活躍しています。

[日常業務から改善策を話しあって]

 このほかにも、感染防止として、病棟採血時の毎回の手洗いや、肺機能検査フィルターの交換は、患者さんごとに行っています。

 器具の消毒や機器の保守点検など、基本的な安全対策をすることは当然のことながら、日常業務の中から気が付き、改善策を話し合って、工夫につなげてゆくことも大切だと思います。

 (健和会病院 検査科 井原勝彦)

(民医連新聞 第1337号 2004年8月2日)

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