民医連新聞

2004年8月2日

私と憲法(7)  改憲は〝平和〟と〝社会保障〟の危機

高橋京子(愛媛・訪問看護ステーションごしき)

 私たちの「宝」、平和と社会保障が、いま本当に危ないと思います。

 「もっと敏感に動かなくちゃ」、私はこう本部に言いに行ったりするので、「口うるさい」と思われているかも知れません。でも民医連の存在、民医連綱領をいまこそ打ち出す時、ではないでしょうか。

 『いつでも元気』の「みんいれん半世紀」を部会で読み合わせています。民医連の歴史の中には大切なものがたくさん詰まっています。生かさなければもったいないです。

 私の両親は長崎で被爆しており、母は病気がちでした。友人を白血病で亡くすなどの体験もあり、「戦争はいや」と 思い続けてきました。私が日赤付属看護学校を卒業し日赤病院に就職したとき、「従軍」の誓約書を書かされました。一九七五年ごろでしたが、労働組合でこれ を問題にしました。仲間と「平和」について語り合うなかで、憲法の役割や社会について考えたものです。

 職員は日常業務が忙しくなり、毎日の生活を守ることで精一杯な現状もあり、いま戦争で苦しんでいる人を「他人ごと」にしか考えられない人もいます。

 一方で、若者は敏感です。医療生協が開いた森住卓さんのイラク報告講演会には約三〇〇人集まり、若者が多く来ていました。イラク派兵反対の署名には高校生が多数応じてくれました。友人を五~六人連れて来た子もいて、その気負いのない行動に感激しました。

 私たちの世代は、平和・反戦の活動を、先輩として、どう若者に継承するか、悩ましい思いもしています。

 私たちが、働く仲間と語り合うことで確信を強め、行動できたように、まずは学ぶ場を工夫していくことが必要です。それで、医療生協の職員教育のプログラムに「平和」を組み込んでいくことを提案しています。

 人任せでもなく、請け負いでもない平和活動をめざし、多くの人に共感されるよう、時にホットに、また暖かく、言い続けたいと思います。

(民医連新聞 第1337号 2004年8月2日)

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