民医連新聞

2004年8月2日

泥にまみれ復旧支援 新潟・福井豪雨災害で職員たち

 七月の集中豪雨で大きな被害を受けた新潟県、福井県では、被災者の健康を気づかい、民医連の職員たちも駆けつけました。呆然とする住民を励まし、泥まみれで片づけをする中で、くらしの復旧のために「公的な支援が必要」の声を上げています。

泥かき、風呂の提供マッサージで奮闘

 【新潟=酢山省三通信員発】県連会長を本部長に、労組と合同で対策本部を設置。すぐに職員・共同組織員の被害調 査を開始し、支援ボランティアを呼びかけました。まず一八、一九日には、医師五人を含む民医連職員と家族の中・高校生、医学生など七八人が三条市に駆けつ けました。

 支援ボランティアに参加した幸田尚子さん(下越病院)は「高校生の弟といっしょに行った家は、歩くのがやっとの高齢者の一人住まい。本人は呆然状態でした。五人の仲間で水を含んだ重い畳を運び出し、床の泥をかき出しました」。

 長岡市も一時は、多数の市民が学校など避難所で生活。ながおか医療生協の知的障害者の会「大きなかぶ」のメンバーは、二カ所の避難所を訪問。温かいおしぼり二〇〇本を届け、喜ばれました。また、デイサービスでは、避難所の二〇人を送迎して、お風呂を使ってもらいました。

 沼垂診療所の山田敏夫鍼灸師は、中之島町の避難所を訪問し、マッサージのボランティア。「視力障害者でもやれる支援を、と思って。五〇代の婦人は、家の片づけと痴呆の母親の世話で、体は湿布だらけ。心配です」と報告しています。

 対策本部は、継続的にボランティアを組織するとともに、他団体とも相談して、家屋、生活、地域復興の対策を、自治体に要求する予定です。

職員が総出で近県の民医連からも

 【福井発】被災地のほとんどが月見診療所の診療圏で、組合員約一六〇〇人が住んでいます。

 東海北陸地協と近畿の各県連の支援も受けて、全事業所の職員が手分けして被害のひどい一二〇世帯を直接訪問しま した。二五世帯で泥のかき出し、家財の運び出しを手伝い、「薬が流された」などの情報に薬を届けるなど、緊急の対応をしました。他の世帯には電話で安否確 認をしました。

 在宅患者さんの一人は、自室が浸水、家族が何とか二階に上げて難を逃れました。緊急にショートステイを手配しました。

 被災住民には疲れが見え、健康状態が危惧されます。感染症や食中毒の危険も高まっています。公園などには、水をかぶって使えなくなった家具類が山になり、家の内も外も、生活できる環境ではありません。

 診療所周辺のパトロール、支援活動にでた職員は次のように語っています。

 「水の怖さを感じた」「泥を出しても出してもキリがない。元通りになるまで何日かかるんだろう。放心状態の人もいて、胸が痛みます」「堤防が決壊したすぐ側の家に支援に行った。そのひどさに、決壊時の恐怖をまざまざと感じました」。

 当県連は行政に対し、住民の健康上の対応を強めること、自治体独自の支援金を支給すること、などを求めています。(対策本部『水害支援ニュース』)

 全日本民医連は、新潟、福井両県連を訪問し、職員を激励、自治体に見舞金を届けました。
 また、両県連は義援金を呼びかけています。

「水害義援金」振込先
新潟民医連
大光銀行(タイコウ銀行)新潟支店
(普通)口座番号 2214175
口座名7・13水害新潟民医連義援金事務局長大越実
福井民医連
福井銀行 学園出張所
(普通)口座番号 1154051
口座名ゼロヨンフクイゴウウサイガイ代表ヒラノハルカズ(必ずカナで)

(民医連新聞 第1337号 2004年8月2日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ