声明・見解

2009年1月27日

【声明2009.01.27】原爆症認定集団訴訟・鹿児島地裁判決についての談話

2009年1月27日
全日本民医連被ばく問題委員会委員長 聞間 元

  1. 2009年1月23日、鹿児島地裁は、原爆症未認定の原告2名について、原告勝訴の判決を言い渡した。
     鹿児島訴訟の8名の原告は、昨年4月以降実施されている「新しい審査の方針」(新基準)により全員が認定を受けている。しかし、2名については申請疾病 のうち、甲状腺腫瘍と前立腺腫瘍が却下されており、今回の判決はその2疾病にたいする却下処分を取り消す判決を言い渡した。
  2. すでに、全国の10地裁において同様の判決が繰り返され、仙台、大阪では、被爆者全員を原爆症と認める高裁判決が確定している。この度の鹿児島地裁判決 も、これまでの判決と同様、国の原爆症認定の在り方を厳しく批判したものである。
  3. 本判決における2名の疾病は、甲状腺腫瘍(がん)及び前立腺腫瘍(がん)であり、新基準で積極的に認定する疾患とされている悪性腫瘍に相当しているが、要医療性を認めず却下されていたものである。
     そのうちの甲状腺がんについては、全摘手術後11年経過した時点での却下処分であったが、術後の甲状腺ホルモン剤内服治療と経過観察につき要医療性を認 めた。また、前立腺がんについても、術後8年での却下処分であったが、経過観察につき要医療性を認めた。これはがん術後5年で再発がない場合に治癒とみな すという現行基準の機械的適用をきびしく戒めたものといえる。
  4. 今回の判決により、国は原爆症認定集団訴訟において13連敗となった。
     昨年4月からの新基準による認定審査以降も、既に2高裁、4地裁が積極認定の範囲外の疾病について放射線起因性を認めており、新基準の見直しが求められている。
     国は控訴せず、新基準を抜本的に改定し、ただちに原告全員を救済すべきである。
     全日本民医連医師団、被ばく問題委員会は一日も早い全面解決を求め、引き続き全国の被爆者とともに奮闘することを決意するものである。

以 上

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