声明・見解

2009年3月16日

【声明2009.03.16】原爆症認定集団訴訟・千葉訴訟の東京高裁判決についての談話

2009年3月16日
全日本民医連被ばく問題委員会委員長  聞間 元

 3月12日、東京高裁は、「新しい審査の方針」で除外されている疾患での申請却下の取り消 しを求めていた原告2名の、肝機能障害(C型肝硬変)、陳旧性心筋梗塞および脳梗塞後遺症について、いずれも放射線起因性を肯定できるとして、原告勝訴と した千葉地裁判決を支持する判決を言い渡した。
 今回の判決は、「がん以外の疾患(心臓疾患、脳卒中、慢性肝疾患其の他の消化器及び呼吸器疾患)についても、低線量の放射線被曝により確率的に障害が起 こり得る可能性を肯定できるだけの統計的な解析結果が得られて」いるとの認識を示し、さらに「放射線被曝による発症にしきい値が存在することが確認されて いない以上、確率的に障害が起こり得ることになる」という判断を示した点で画期的なものである。
 また、「新しい審査の方針」が設定した被爆地点と爆心地の距離(約3.5km)についても、「爆心地からの距離がやや離れているものであっても、格段の 相違がないと認められるものであれば、上記の基準を満たすものとして取り扱うことが相当」との判断を示した。
 このように、「新しい審査の方針」の機械的な適用を戒めた今回の高裁判決は、原爆症認定の在り方の抜本的見直しと、集団訴訟の早期一括解決を求める被爆者の願いに大きな励ましとなるものである。
 国は上告せず、新基準を抜本的に改定し、ただちに原告全員を救済すべきである。全日本民医連支援医師団と被ばく問題委員会は、引き続き全国の被爆者とと もに各地の認定訴訟の一日も早い全面的勝利と被爆者医療の充実のために奮闘する決意である。

以上

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