いつでも元気
2011年5月1日
くすりの話 134 乳幼児に薬を飲ませるときの注意点
Q:上手な薬の飲ませ方は?
A:「水で飲ませる」これが原則です。ミルクやいつも食べているものに混ぜてしまうと、一度嫌な味だと感じたときに、それらの飲み物・食べ物まで嫌いになり、食べなくなってしまうことがあるからです。おかゆや豆腐など、大事な栄養源になる食品とは混ぜないようにしましょう。
離乳食前の乳児には、少量の水で溶いた薬をスポイトで飲ませたり、哺乳びんの乳首の内側に薬を入れて吸わせる方法があります。離乳食が始まっていれば、 薬を溶かす水を少なくし、練った薬を上顎や頬の内側にぬりつけます。ただし味を感じやすくなるため、舌の上にはのせないように注意しましょう。もう少し大 きい子どもには、スプーンに薬をのせてパクッと食べてもらい、水を飲ませます。
シロップなどを口の中に入れても、口の端からダラダラと出てくることがあります。これは、ゴックンと液体を飲み込めないためです。小麦粉、粉末クリーム、きな粉などを少量混ぜ、団子状にして食べさせてみましょう。
Q:薬の味が苦手。何かに混ぜてもいいの?
A:練りココア、アイスクリーム、ジャムなどに混ぜたり、ク リームつきビスケットにはさむなどして甘みをつけると薬が飲みやすくなります。とくにチョコレート味は苦味などを消します。甘みが苦手な子には、海苔の佃 煮やふりかけ、インスタント味噌汁を濃いめに溶いて冷ましたものなどに混ぜて飲ませるとうまくいくことがあります。
ただし、薬によってはヨーグルトやオレンジジュースなど、飲み合わせが悪いものがあります。何かに混ぜて飲ませたいときには、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
薬を吐き出してしまうときは、とにかく「薬が大嫌い!」という場合があります。「苦かった」「まずかった」とか、「うまく飲めずに怒られたり、友だちにからかわれた」など、嫌な思いをしたのがきっかけで、薬嫌いになる子どもも多いようです。
子どもがグズると、親もついイライラしがちです。怒らず、うまく飲めたときにはしっかり褒めてあげてください。理解できる年齢ならば、薬を飲む必要性を優しく根気よく伝えてみましょう。
Q:一度飲んだ薬を吐いて、戻してしまったら?
A:薬を飲んだ直後に吐いてしまい、明らかに薬を全部出してしまった ときは、ほとんど吸収されていないので、もう一度最初から飲ませてもかまいません。ただし吐いた薬が一部だけの場合や、飲んでから30分ほど時間が経って いて、どのくらい吸収されたかわからないときには、次回からまた飲ませるようにします。
体調不良の他に、薬の苦味が口の中に残っているために気分が悪くなり、吐き出してしまうケースもあります。どうしても戻してしまうときは、オブラートや市販の服薬補助ゼリーなどを利用して、苦味が口に残らないようにしましょう。
いつでも元気 2011.5 No.235
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