声明・見解

2009年3月31日

【声明2009.03.31】広島救護被爆者手帳交付訴訟の地裁判決についての談話

2009年3月31日
全日本民医連被ばく問題委員会委員長  聞間 元

 3月25日、広島地裁は、原爆投下直後から負傷者の救護にあたった人々への被爆者健康手帳の交付をめぐる集団訴訟について初めての司法判断を示し、手帳交付申請を却下した広島市長に対し、原告7人全員の却下処分の取り消しを命じた判決を言い渡した。
 この判決は、被爆者援護法1条3号の「身体に原子爆弾の放射能を受けるような事情の下にあった者」、すなわち3号被爆者とされる人々について、現在の科 学的知見に基づき、「救護所等に立ち入らなかった者に比して、有意に、原爆投下を契機として生じた放射性物質を少量であっても体内に取り込めば、…発がん 等遺伝子の突然変異に起因する身体影響を生じるおそれが高くなることは否定しがたい」とし、内部被曝の危険性を全面的に認めた当然の判決である。
 この結果、これまでの手帳交付基準である「1日当たり10人以上」といった、科学的根拠のない、機械的な人数要件が見直されることになり、長崎原爆被災 者を含む3号被爆者の手帳交付申請の道が大きく開かれるはずである。
 広島市長は、この判決を受け入れ、控訴しないことを決断すべきである。
 私たち全日本民医連医師団、被ばく問題委員会は、引き続き原爆被爆者の医療や福祉の充実のために全力を尽くす決意である。

以上

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