声明・見解

2009年4月2日

【声明2009.04.02】原爆症認定集団訴訟・高知地裁の判決についての談話

2009年4月2日
全日本民医連被ばく問題委員会委員長 聞間 元

 3月27日、高知地裁は、虚血性心疾患と高血圧という二つの疾病での原爆症認定申請を却下 された入市被曝の原告にたいし、虚血性心疾患について却下処分の取り消しを命ずる判決を言い渡した。なお高血圧については、虚血性心疾患と一体のものと考 えられるのであるが、その放射線起因性は認められなかった。
 昨年5月の大阪高裁判決では、高血圧および慢性虚血性心疾患を含む「循環器疾患」の、続く6月の長崎地裁判決では「狭心症」の放射線起因性を認める原告 側勝訴の判決が下されており、今回の判決もおおむねその流れに沿う判決であり、司法判断として定着してきている。
 最近の「新しい審査の方針」では、「放射線起因性の認められる心筋梗塞」というかなり限定した枠組を示しているが、今回の判決は入市被曝例についても、より広い判断を示したことでも注目される。
 今回勝訴となった原告は、残念なことに後に発病した肺がんのため既に死亡しているが、判決はこの肺がんにまで言及して、認定審査会での機械的な審査を否 定し、申請疾病ではなくとも当然考慮すべき要素として放射線起因性を論じているのは力強い。
 厚労省は控訴をせず、集団訴訟の一日も早い解決を目指して被爆者との協議の場を持つべきである。
 私たち全日本民医連支援医師団と被ばく問題委員会は、引き続き被爆者の医療と健康管理の充実のために奮闘する決意である。

以上

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