いつでも元気
2011年11月1日
くすりの話 140 香酢の効能
Q:他の酢との違いは何ですか?
A:香酢は、他の酢と比べても、アミノ酸・クエン酸が含まれる量が多いとされています。クエン酸は体内で変化して、筋肉を動かすエネルギーの生産を促します。
アミノ酸は自然界に500種類以上存在しますが、人間の体を構成しているのはわずか20種類ほどです。香酢にはこの20種類がすべて含まれ、しかも吸収されやすい形で存在しているのが特徴です。
Q:どんな効果がありますか?
A:便秘改善、高血圧改善、疲労回復、美肌などの効果があります。
便秘改善は、香酢に含まれている酢酸やクエン酸が効果的で、大腸の収縮運動を促します。香酢には食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれています。オリゴ糖は 排便や消化を手伝っている善玉菌の栄養分になって、大腸内の老廃物排泄を促進し、便秘を解消します。
また、酢に含まれている酢酸には、細くなった血管を広げ、血流を良くして血圧を下げる効果があるとされています。この効果は血圧が正常な方や、低血圧の 方には現れないことが臨床試験で確認されています。また、もろみ酢のように酢酸発酵ではない酢には、血圧を下げる効果はありません。
よく知られているように、クエン酸には疲労回復効果もあります。運動をすると体内のエネルギー(糖)が燃焼して乳酸(疲労の原因物質)が蓄積し、疲労を感じるようになります。そこでクエン酸を補給すると、乳酸を分解して疲労回復を早めます。
肌を美しく保つには保湿が欠かせません。保湿成分には、こんにゃくなどに多く含まれているセラミド(脂質の一種)と、2 種類の天然保湿因子の3種類があります。天然保湿因子の主成分はアミノ酸からできており、アミノ酸を補給することで、天然保湿因子がたくさん生成され、肌 の保湿につながるわけです。
Q:注意事項や副作用はありますか?
A:酸性の刺激で、たくさん飲むと反射的に吐き気やめまいを起こしたり、のどなどの粘膜を痛めたりする場合があります。これらの症状を軽減するために、香酢を濃縮してカプセルに詰めた商品もありますが、カプセルの原料がもとで、まれにアレルギー反応を起こす場合があります。
また、胃の弱い方は酸で胃が荒れやすいので、空腹時に原液で飲むのは避けましょう。原液が飲みにくい方は、水や牛乳に混ぜてはちみつなどを加えます。数回に分けて食後に摂取すると、胃の負担が少なくて安心です。
香酢の健康効果は継続することで得られ、飲むのをやめればもとに戻ります。あくまでも健康維持の原則は、規則正しい食生活と生活リズムであることを念頭に、香酢は補助的に利用しましょう。
いつでも元気 2011.11 No.241
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