医療・福祉関係者のみなさま

2011年4月2日

【2011.04.02】 廃炉に向けた臨時理事会声明

日本政府はこれまでの原発推進政策を改め、東京電力福島原子力発電所の廃炉を明確にするとともに、ただちに全原子炉の調査にはいることをもとめます

2011年4月2日
全日本民主医療機関連合会臨時理事会

 3月11日に発生した東日本大震災と津波の影響により東北地方太平洋沿岸各県は、広範、かつ未曾有の被害にさらされ、加えて福島第一原発の破綻により福 島県内の放射能汚染は日本の原発史上最悪のものとなりました。国民は、今回のような事故が起きれば制御不能になるのが原発であることを思い知ることとなり ました。人体の健康の問題のみならず、農作物と原乳と土壌の汚染により、県内及び周辺県の産業が極めて深刻な事態に立ち至っています。地震と津波と放射能 汚染の三重の被災の渦中にある県民の心痛は表現するすべも有りません。

 全日本民主医療機関連合会は医療に携わる立場から、「原発安全神話」に依拠した現在の原子力政策の危険性を訴え、原発推進政策の転換を求めてきました。 また原子力産業が、事故のときのみならず、通常運転時においても、生命(いのち)の使い捨てを前提とした下請け労働に支えられていることも指摘してきまし た。これらは多くの専門家がつとに指摘してきたことでもあります。そして現在、目の前に繰り広げられている事態は、これまでの指摘がもっとも過酷な形で的 中していることを示しています。

 全日本民医連は、この事態の渦中においてこそ、いま日本政府に以下のことを強く求めます。

 第一に、日本政府は原子力政策に責任を負う立場から、福島原発については、原子炉、使用済み核燃料、等、放射能汚染の源となる一切の施設の廃絶を明確に することです。そして、原子力の専門家や国際機関の全面的な協力を得て放射性物質を出し続けている福島第一原発の事態に対しあらゆる手立てを尽くすことを 強く求めます。
これらは現在、不安と怒りと悲しみを強いている福島県民、国民に対する最低限の責任です。

 第二に、日本政府は、従来の原発推進政策を改め、原子炉新設の停止を明確にし、且つ、稼働中の全原子炉について総点検を求めます。国民の負託を受けた中 立の調査機関に強い権限を付与し、原子炉の耐震構造、耐用年数、事故記録、立地の条件、労働実態、統治機構のあり方などを徹底して調査、公開し、国民の安 全を脅かす恐れが完全に否定出来ない限り、廃炉にする方針でのぞむことを強く求めます。

 地震集中の日本列島には現在54基の原子力発電所が密に立地し、そのなかには、これまでしばしば運転中止に追い込まれた原子炉も含まれています。原子力 企業と日本政府が一体となった従来の原子力行政では国民の安全を未来にむけて真に保証することはできません。「想定外」の言い訳を日本政府がふたたび口に することは絶対に許されません。

(PDF版)

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