民医連新聞

2004年10月18日

地域に息づく看護・介護を交流 第7回看護介護活動研究交流集会

 第七回全日本民医連・看護介護活動研究交流集会を九月二四~二五日、福岡国際会議場で開きました。今集会から介護分野の活動を加え、名称も変更。看護職をはじめ、介護福祉士、ヘルパーなど九五三人が参加しました。

 開会の幕が上がると、地元博多の勇壮な川筋太鼓の音が響きました。

 肥田泰会長が理事会を代表してあいさつ。全日本民医連創立五〇周年記念の「中国の旅」から帰ったばかりの会長 は、日本軍が中国に与えた加害の跡を見てきた感想を語り「憲法を守り抜く決意を固めよう」と呼びかけました。また、医療安全の課題で、誤注射事故を例に 「基準・手順を整備しよう。それを遵守しない医師には意見が言える看護師集団になってほしい」と述べました。

 田崎元子同集会運営委員長は、介護分野での活動の広がりを反映し、今集会への演題応募数が過去最高となったと報告。「平和や人権が脅かされているいま、自分たちだけで悩まず、他職種や地域の人びととともに情勢を変えていこう」と話しました。

 熊谷芳夫福岡・佐賀民医連会長が歓迎のあいさつ。福岡・健和会は再建がすすみ、今集会は県連が自立して最初にとりくむ大きな集会だ、と期待を込めました。

 特別講演は、環境・医療・平和のヒューマンな作品で知られる映画監督の鎌仲ひとみさんから。「ヒバクシャから見 た私たちの世界」と題して、ドキュメンタリー映画『ヒバクシャー世界の終わりにー』の一部を見せ、制作にまつわるエピソードや劣化ウラン弾廃絶キャンペー ンなどを語りました。またイラクへの医療支援を訴えました。

 シンポジウムのテーマは「輝けいのち! 平和と人権を守り、地域に息づく看護・介護への挑戦を」。労働者の健 康、看護師の卒後研修、小規模施設での高齢者ケアに携わってきた三人のシンポジストが発言。専門職としての提案や示唆に富み、民医連で働く喜びがにじむ報 告でした。

 鎌仲さんも加わり、フロアも交え交流しました。

 午後と翌日は一二会場で分科会とポスターセッションが行われました。テーマは「生活と労働の視点からの看護介護 のとりくみ」「安心して住み続けられるまちづくり」「人権を守る入院・入所のとりくみ」「患者・利用者の立場に立つ看護」「ともに育ちあう職場づくり」の 五つ。うち三つの会場では教育講演が行われ、分科会テーマを深めました。二日間で三六一演題が発表され、看護・介護のすすんだ経験を学び、交流しました。

 「文化の夕べ」は、菅尾玲子さんのシャンソンコンサート。参加者にマイクを渡し、ともに歌う菅尾さんに魅了され、大いに盛り上がり、終了時間を超過するほどでした。

 参加者はここで学んだことを職場に持ち帰り、さらに発展させて二年後の千葉の集会に持ち寄ろう、と会場を後にしました。

(民医連新聞 第1342号 2004年10月18日)

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