民医連新聞

2004年10月18日

九条通りで九条宣伝 「憲法守れ」と京都・吉祥院(きっしょういん)病院の仲間たち

「平和な世の中を子どもたちに」

 京都・吉祥院病院の近くには、「九条通り」という名の道路が東西に走っています。昨年から同院では、近隣 の民医連事業所とともに「憲法九条にこの『九条通り』を引っかけて、九日に行動しよう」と決めました。また、生存権の二五条にちなんで二五日も行動日に し、宣伝、署名にとりくんでいます。九と二五が重なった九月二五日、「南区『九条今が旬』フォーラム」を職員、共同組織、民主団体などでつくる実行委員会 で開きました。一二八人が参加し、あらためて憲法九条、平和の大切さを考えました。(鐙(あぶみ) 史朗記者)

 フォーラムは、「平和コンサート」で始まりました。『私の平和~憲法九条』『青い空は』『ねがい』を参加者全員で合唱。京都平和の歌合唱団の中村けいしゅうさんが、ギターを弾きながら、ソロで『勇気』を歌いあげました。会場には、目頭をハンカチで押さえる人もいました。

 「イラクの子ども救う会」の西谷文和さんが、「イラクの現実から見る日本の現実~本当の国際貢献とは何か~」をテーマに講演。『戦争のつくりかた』を朗読したり、戦争体験者二人の話を聞くなどして、憲法の大切さを学びました。

 主催者を代表して、南区生活と健康を守る会の清水良一さんが「憲法九条守れの世論を大きくひろげよう」と訴えました。

わかりやすく

 同院が日付にこだわる理由、それは「何か目に見えるわかりやすい運動をしよう」と考えたことです。そして「決 まった日に何かをする」に執着しようというもの。「九条絵手紙作戦」「九条通り九九人宣伝」など「九」にちなんだ平和活動を考え出しました。また、二五日 は、「社保活動は民医連のたましい」と「年金」「介護改善」署名で地域に入ります。

 こうした運動について、近隣の民医連事業所でつくる共同闘争委員会は、共同組織、民主団体へも協力を呼びかけました。

 この地域では、一五年前から社保協が中心になり、毎月二一日に国保相談と国保課交渉を続けています。二一日は五重塔がある東寺に市が立つ『弘法さん』。これもこだわりの日です。毎年六月には集団減免と区役所交渉、年二回は「何でも相談会」です。

 声をあげたのは同院でした。「老舗ののれんはおろせません。だから、継続してるんです」と高梨輝子事務長は言います。

「出なあかん」と

 定期的な学習会が、職員のこうした活動を生み出す力になっています。

 例えば、「憲法」をテーマにした全職員対象の学習会。これは、昼や夕方に一時間、一週間に五回設定しました。講師の弁護士も、毎日足を運んでくれました。

 「こうすれば、七~八割の職員が参加できる」。これが高梨さんの経験則です。常勤、非常勤一六〇人の職員中、一三〇人以上が参加しました。

 誘い合って参加したり、管理部が職場へ出向く、マンツーマンの学習も。共同闘争委員がすすみ具合の点検をしたり、みんなが最後まで決めたことはやり抜こうとがんばりました。

 「もう職員は学習会へ『出なあかん』と習慣になっているのがよいところ。でも、全職員の参加達成にはまだまだです」と高梨さん。

みんな元気

 八年目の薬剤師で共同闘争委員の片山妙子さんは、「委員会では、たいへんだけど、『できない』という発言は誰か らもありません。どう実現するか、どう提起するかに話が集中します。私の職場でも、学習会には全員が参加しているし、平和の話が自然にできるし、提案も受 け止めてもらえる」。

 九と二五日の宣伝、署名行動には、青年の参加が目立っています。

 「集会や宣伝行動には可能な限り参加しています」というのは、同院のJBメンバーの一人、岩瀬香子さん。五年目の管理栄養士で、三歳の子のお母さん。「平和の活動は、親の課題です。平和な世の中を子どもたちにと思って、やっています」。

 このとりくみが、全国でも注目され各地の事業所にも九、二五の憲法行動がひろがっています。

(民医連新聞 第1342号 2004年10月18日)

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