MIN-IRENトピックス

2012年4月27日

【2012.04.27】大飯原発の再稼働に断固反対し、すべての原発の廃炉を求める

2012年4月27日
全日本民主医療機関連合会
会長  藤末 衛

     

 東日本大震災から1年余りが経過してもなお、福島第一原発事故の収束はおろか、事故原因の 究明も十分になされていない。いまだ故郷に戻れず避難生活を余儀なくされている人は6万人を超えている。放射能汚染は広く土壌、海洋に広がり、農業・漁業 に甚大な被害を与えている。健康不安を抱えながら生活している人々の数は計り知れない。そのような状況の中で、安全性が保障できない大飯原発の再稼働が行 われることは断じて容認できない。

 政府は「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」を決定したが、まさに「大飯原発再稼働ありき」の政治的理由で拙速に決定されたものである。

 地震や津波に対する対策では、電力会社が自主的におこなった電源車や消防車の配備で基準を クリアしたものとしている。また地震や津波で重大事故が起きないかについての確認もストレステスト一次評価によるものとしている。一次評価におけるストレ スは設計基準以下でのテストであり、過酷事故を想定したものではない。さらに、「原子力安全・保安院が求めた安全対策の実施」については、関西電力が「計 画」を提出さえすればよいという、はなはだ不十分なものである。こうした「判断基準」には、国の事故調査委員会や福島原発事故独立検証委員会の成果は全く 反映されていない。このような基準で原発の安全性が保障されるとは到底考えられない。

 国は夏場の電力供給不足を根拠に再稼働必要としているが、節電対策を十分考慮したものとはいえず、近隣の府県や専門家からも批判の声が上がっている。客観的な数値も示さずに「電力不足」をあおって再稼働を強行することは断じて許されない。

 万が一、大飯原発で事故が発生し、放射性物質を拡散する事態となれば、その被害は広範な地域におよぶ。今、国民の圧倒的な世論は再稼働反対である。

 私たちは人々のいのちと健康をまもる医療機関として、大飯原発の再稼働に断固反対し、現存するすべての原発の廃炉を求めるものである。

(PDF版)

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