事業所のある風景

2014年1月15日

大阪/阪南医療生協診療所 大阪最南部の民医連事業所として

 阪南医療生協診療所のある岸和田市は、大阪府泉南地域の中心都市でもあり、岸和田藩の城下町を中心に発展してきた人口約20万人の特例市です。市 のキャッチフレーズは「人がいき、地域が輝くまち岸和田」。岸和田市は毎年9月と10月に行われる岸和田だんじり祭が有名。約270年の歴史をもち、速度 の乗っただんじりを方向転換させる「やりまわし」が醍醐味で、曳行コースの曲がり角は大勢の観客であふれる。また、だんじりに施された非常に精緻な彫刻も 見所です。

健康診断を積極的にとりくんで

 阪南医療生協診療所が設立されるまでは大阪民医連の事業所は堺市が最南部でした。大阪南部にも働く人の立場に立って、「患者が主人公」の診療所をつくり、民医連を広げようと、約1年半の準備期間を経て、1993年に設立されました。
 「だんじり祭」の勇壮なイメージの反面、健康診断の受診率が大阪府下では最低ランクで、設立時から健診へのとりくみを積極的に行ってきました。介護保険 施行にあわせて訪問看護、デイケア、居宅介護支援事業所などの介護事業所を開設しました。
 2000年8月に東幹雄初代所長から眞鍋穰現所長にバトンタッチ、眞鍋医師の専門分野である小児科やアレルギー疾患への対応ができるようになり、診療 所、介護施設ともに利用者が増加していきました。利用者の増加に伴い「施設を拡充してほしい」という声が多くの方からよせられるようになりました。創立 10年を迎えた2003年の総代会で新診療所の建設をめざす3カ年計画が採択され、「1000世帯の組織拡大」「1億円の増資運動」を運動の柱とした施設 建設運動へのとりくみが始まりました。
 職員、組合員合同のワークショップを何回も開催しながら新しい施設のイメージを作り、毎週の組合員訪問活動にとりくみました。

地域住民とともに

 2005年、地域の信頼・安心の医療・介護センターとして大きな期待を集めて建設された新施設が完成、8月からオープンしました。オープン時には「1億円の増資運動」を達成することができました。
 診療所移転後の2006年からは大阪民医連の支援を受け、アスベスト外来を開始。現在も泉南地域でのアスベスト被害者への支援活動を行っています。これ までに30人を超える方が労災認定を受けることができました。
 介護サービスへの需要がますます増加し、2009年9月に訪問ヘルパー事業を開始、2012年7月に2カ所目となる小規模の通所介護を開設しました。現 在の介護事業所は5事業所となりました。ますますの医療・介護保険制度の改悪のなか、地域の方々とともに民医連事業所を守っていきたいと思います。
阪南医療生協診療所 事務長 今口 朋)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2014年1月号.No.497より

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