介護・福祉

2014年10月6日

私のお仕事 地域包括支援センター

 多彩な職種が働く民医連事業所。それぞれが専門性ややりがいを語る連載。17回目は地域包括支援センターです。

地域に愛される存在をめざして

 川崎市川崎区の南東部、人口約2万6000人の地区担当の地域包括支援センター(以下セン ター)に異動してもうすぐ3年です。現在のスタッフは主任ケアマネの私と、社会福祉士2人、保健師1人、事務職1人の計5人。業務は、介護予防マネジメン トに加え、高齢者虐待の相談、成年後見制度・権利擁護の相談や困難ケースを抱える居宅介護支援事業所のケアマネの同行訪問など。
 先日も夜間に警察から虐待の通報があり、緊急ショートステイにつなげたばかりです。また、介護予防教室、認知症予防教室、小学校での福祉教育、悪徳商法 の出前講座、認知症サポーター養成講座などの啓発活動や地域の介護問題の解決を一緒に考える地域ケア会議なども開催。業務量が多く、業務範囲も広く、正直 くじけそうですが、地域に愛され、「あそこに行けば安心」という存在になるためがんばっています。
 しかし、どんなにがんばっても高齢者に関する困難なケースは複雑化し増える一方。難しいケースの支援を行えば行うほど、1人の専門職や団体だけではどう にもならない大きな壁にぶちあたります。担当地域は、かつて労働者の町でした。身寄りのない高齢者が多く、既存サービスだけではまかなえない通院同行や金 銭管理のフォロー、電球交換、認知症の人のペットの世話まで行うことも。そうしたことを地域に託すのはまだまだ時間がかかりそうです。

“今困っている人を今助ける”の信念を貫きたい

 時間のかかるはずの地域ケアのシステムづくり、つまり地域包括ケアと今困っている人への支 援、時間軸の違う2つの業務はリンクしないと実感しています。“今困っている人を今助ける”が私の信念です。「それができない社会保障制度自体が虐待やネ グレクト(放置)している」とさえ思うこともあり、未成熟でリアリティーのない制度のことを考え出すとストレスです。そんな時は必ず職場の仲間がおいしい お菓子をそっと差し出してくれます。大変ですが、頼りになる優しい仲間と地域の方々と目の前の問題に向き合っていく、その積み重ねが未成熟な制度を変えて いくことにつながるのだと自分を奮い立たせ、今日も認知症の方の家賃支払い同行に行ってきます。(神奈川・京町地域包括支援センター 橋本英典)

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