くすりの話

2015年5月30日

くすりの話 178 水虫のくすり

Q:どうして水虫になるの?

イラストA:水虫はカビの仲間である白癬菌が手や足の角質層や爪に感染して発症します。場所によって、足白癬(水虫)、爪白癬(爪水虫)などと呼ばれます。日本人の5人に1人は足白癬を、10人に1人は爪白癬を有すると言われています。
 白癬菌は暖かく湿度が高い環境を好むため、患者数は梅雨から夏にかけて急増します。また、近年ではブーツを履いたり、冬でも暖房が行き届いたりと、白癬菌が増殖しやすい環境が整っており、冬に発症する人も増えています。

Q:水虫の薬にはどんなものがあるの?

A:水虫には、「足の指の間がジュクジュクしたり皮膚がむけてかゆい」「足の裏が硬くなってひび割れる」「小さな水泡ができる」「爪が黄色に変色したり先が薄くなる」などさまざまなタイプがあり、症状に合わせた薬が処方されます。
 塗り薬には軟膏・クリーム・液剤・スプレーなどがあります。軟膏はベタつきますが刺激が少なく、しみないので、症状が悪化して傷になっている患部にも使用できます。クリームはベタつかず、使い心地がよいため、最もよく使われます。液剤はさらりと広がってベタつかず、患部に浸透しやすいのですが、少し刺激があるので症状が悪化している場合には適しません。スプレーは冷却効果や爽快感を味わえる、手で患部に触れなくて済む、という特徴があります。また、すぐ乾くので指の間のジュクジュクとした水虫に適しています。
 塗り薬のみで治療がうまくいかない場合や、爪白癬のときは飲み薬を使います。水虫の薬は飲み合わせの悪い薬が多いので、他に薬を服用している場合は、必ず事前に医師や薬剤師に伝えてください。肝機能障害などの副作用が起きやすい薬もあります。そうした薬を服用する場合、飲み始めて2カ月間は月1回の肝機能検査をおこない、その後も薬を止めるまでは定期的な血液検査が必要です。

Q:見た目がきれいになったら薬はやめてもいいの?

A:見た目がきれいになっても、菌はまだ残っています。少なくとも1カ月程度は治療を続けてください。爪白癬の場合は、完全に新しい爪に生え変わる1年~1年半ほど治療が必要です。薬の終了時期は経過を見ながら医師が判断するので、自己判断で中止しないことが大切です。
 また、一見水虫と思われるものも、顕微鏡検査をすると湿疹など他の皮膚病だったということもあります。水虫ではなかった場合、自己判断で薬を使っても治らないばかりか、症状が悪化してしまうこともあります。市販薬に頼るのではなく、きちんと医師の診断を受けてから治療するようにしましょう。
 治療が終わっても、再発をさせないために「石けんで毎日足を洗ってしっかり乾燥させる」「通気性のよい靴下や靴を選ぶ」「家族でバスマットやスリッパを共用しない」などの生活を心がけましょう。

いつでも元気 2015.06 No.284

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