くすりの話

2015年6月30日

くすりの話 179 AGA治療

イラストQ:最近よく聞くAGAとは何でしょう?

A:AGAとは「Androgenetic  Alopecia」の略称で、「男性型脱毛症」という意味です。成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことです。

Q:AGAの原因は?

A:AGAは主に遺伝や男性ホルモンのテストステロンの影響などが原因と考えられています。血中を流れる男性ホルモンが髪の成長を抑制し、髪の毛が成長する前に抜け、十分に育たない細く短い髪の毛が多くなるので、薄毛が目立つようになります。影響の程度は、遺伝にも左右されています。

Q:女性にもAGAは起こるの?

A:特徴は異なりますが、女性でも起こり得ます。女性の場合は、男性のAGAと区別するためFAGA(F=Female=女性)と呼ばれることもあります。女性でも男性ホルモンが体内で合成され、毛髪に影響を及ぼすメカニズムは男性と同じです。男性との違いは女性ホルモンの影響です。女性ホルモンのエストロゲンには毛髪を育てる働きがあり、エストロゲンの分泌が活発な若い女性は男性ホルモンの毛髪への作用も少ないと考えられます。しかしエストロゲンの分泌は加齢と共に減少し、その結果、男性ホルモンの影響でAGAが起こりやすくなるのです。エストロゲンの分泌減少の原因は加齢のほか、ストレスやダイエット、生活習慣の乱れなどもあります。

Q:AGAの治療方法は?

A:AGAは進行性の病気であり、放っておくと毛髪は減り続け徐々に薄くなっていきます。早めのケアが大切です。主な治療方法は投薬です。医師が処方する治療薬を1日1回服用します。処方薬は、男性ホルモンの毛髪への作用を抑え、脱毛の原因物質の発生を抑制し、毛髪の成長サイクルを正常化します。効果が出るまでには6カ月以上の服用が必要です。また脱毛・薄毛が改善しても、服用を止めると再び症状が進行します。
 AGA治療薬はインターネットの個人輸入で入手できる場合があります。しかし日本では認められていない成分の内服薬もあり、個人判断での購入使用は大変危険です。日本では保険適応はありませんが、内服薬は医師による処方せんが必要です。副作用が発生する場合もあり、治療は医師の診察のもとおこないます。
 一方、女性のFAGAは加齢などによりエストロゲン分泌が減少するものの、一定量は分泌しているので、進行性ではありません。AGA治療に用いる処方薬は女性には効き目がなく、また胎児への影響から妊婦は使用禁忌です。そのため、頭皮マッサージや市販の育毛剤による頭皮ケアが一般的な治療法です。
 円形脱毛症や皮膚疾患による脱毛などと区別するためにも、早めに専門医を受診し正しく診断していただくことをお勧めします。

いつでも元気 2015.07 No.285

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