くすりの話

2015年8月31日

くすりの話 181 更年期障害の治療

23_01Q:更年期障害の治療薬を教えてください
A:更年期障害の治療は大きくわけて、(1)ホルモン補充療法(HRT)、(2)漢方薬による治療、(3)抗うつ薬などによる治療の3つがあります。そのなかで根本的な治療法として注目されているのが、HRTです。
 HRTとは、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を、飲み薬や貼り薬で補充する治療法です。
 エストロゲンの補充により、ホルモンバランスが安定し、自律神経失調のために起こっていたさまざまな症状が軽くなります。特に、急な顔のほてりや多量の発汗が起こるホットフラッシュや、冷え・動悸など血管運動系の不調が改善されやすいと言われています。また、皮膚や粘膜の乾燥や萎縮、骨密度の低下(骨粗しょう症)、コレステロール値の上昇なども、エストロゲンの補充で改善されやすくなります。
 しかし、HRTには後述するリスクもともなうため、導入にあたっては医師とよく相談することが必要です。

Q:HRTには、どんな種類の薬があるの?
A:従来から使用されている錠剤に加えて、貼付剤(パッチ)、ジェル剤などが登場し、「貼る」「塗る」などの使い方が増えました。また有効成分がこれまでの約半量という「低用量」製品や、エストロゲンと黄体ホルモンが1錠(1枚)に含まれた配合剤が出たことなどにより、「どんな製剤をどのように使うか」という選択の幅が増えています。

Q:HRTに副作用はあるの?
A:HRTの影響(副作用)として代表的なものに生理のような出血があります。これは女性ホルモン本来の働きによるもので、体に悪影響はありません。閉経後数年たっていて周期的な出血を望まない人には、持続的併用療法という方法で薬の量をコントロールし、出血を起こさせないこともできます。
 他には(1)乳房の張りや痛み、(2)下腹部の痛み、(3)おりものがたくさん出る、(4)胃が重く、食欲がなくなる、(5)頭痛や吐き気、なども起こるようです。これらの副作用については薬を続けていくうちに慣れるものですが、あまりに気になる場合は、医師と相談して薬の量を減らすなどの必要があるかもしれません。
 このような副作用のほかに、乳がんや子宮がんのリスクが高くなるというアメリカ国立衛生研究所の報告があります。しかし、日本産婦人科学会と日本更年期医学会が共同で作成した「2012年HRTガイドライン」では、エストロゲン・プロゲステロン併用の場合は5年以内、エストロゲンのみの場合では10年以内の治療であれば問題ないとされています。この期間を超える場合でも、医師と相談した上で治療を継続することができます。

いつでも元気 2015.09 No.287

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ