副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2010年3月2日

副作用モニター情報〈327〉 バルプロ酸の重篤な副作用

 この1年間に、民医連の施設でもバルプロ酸の重篤な副作用が発生しています。肝機能障害、高アンモニア血症を伴う意識障害、重篤な血小板減少症で、いずれも添付文書に0.1~5%未満の頻度と記載されています。

【症例1】60 代の男性で、高血圧症と便秘で通院中。脳神経外科からデパケンR200mg4錠/日を処方された。1か月後の採血で肝機能異常(AST68・ ALT173・ALP714・γ-GTP283)を示し、デパケンRの服用を中止。その4日後の採血でAST139・ALT326・ALP363・ γ-GTP141と推移、30日後には正常値に回復した。
【症例2】20 代の肝機能障害のない男性で、てんかんでデパケンシロップ5%液12ml/日で服用中。血中濃度が低いため18ml/日に増量した。血中アンモニア値がそ の前後で76μg/dlから195μg/dlに上昇したため、12ml/日に減量。その後、徐じょに血清アンモニア値は減少し、3週間後には 84μg/dlまで回復した。
【症例3】60 代後半の女性で、てんかんと高血圧症、骨粗鬆症、頻尿、変形性膝関節症の治療中。バルプロ酸を1100mg/日(血中濃度83μg/ml)服用中。疲労 感、歩行障害、手の振戦、傾眠傾向が出たため血液検査をしたところ、血中アンモニア値が136μg/dlと判明。バルプロ酸中止後2週間で血中アンモニア 値は26μg/dlに低下した。
【症例4】80代前半の女性で、クモ膜下出血後にデパケンRを500mg/日で開始、発作が起こるため600mg/日に増量。5カ月後、血小板値が5.1万個にまで減少、同薬を400mg/日まで減量し、4日後に血小板は12.4万個まで回復した。
【症例5】50 代女性。デパケンR800mg/日を服用中、血小板減少を指摘されていた。同薬を400mg/日に減量後、血小板は8.9万個から11.3万個に回復した が、発作回数が増加したため800mg/日に戻したところ、8.5万個まで減少。再び400mg/日に減量したところ、13.8万個まで回復した。

 メイラーの副作用大事典には、「特に治療の初期に~肝機能障害検査を行うべき」、「バルプ ロ酸の血中濃度が中毒域に達していなくとも、中毒性脳症(傾眠、昏迷)、あるいは発作頻度の増加がみられる際には、すべて血中アンモニア濃度を測定すべき であり、濃度が上昇しているならばバルプロ酸を中止すべき」と記述されています。

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ