くすりの話

2000年9月1日

くすりの話 41 強力な痛み止め-麻薬

Q:麻薬はどんなときに使われるのですか?

A:医療で使われるのは「コデイン」と「モルヒネ」という麻薬です。コデインは依存性が弱いため、咳止めとしてかぜ薬の「パブロン」などの市販薬にも配合されています。
モルヒネは、がん末期の痛み止めとして大きな効果を発揮しています。
痛み止めにもいろいろ種類があり、比較的作用の緩やかな解熱鎮痛剤や消炎鎮痛剤から、強力な作用の麻薬まであります。麻薬は大脳皮質に働き、がんの痛みや外科手術時の疼痛をしずめます。
モルヒネは、最近では1日1~2回の投与で24時間効果が続く錠剤も開発され、とくに、がん末期の患者さんが在宅で療養する際の痛み止めとして注目されています。
がん末期の痛みをどうコントロールするかについて世界的に研究され、モルヒネなどの麻酔を上手に使う方法が確立されました。がんの痛みについては、痛みが 出だした早い時期から麻薬を使うことが大切だと言われるようになってきています。痛みによって何もできない毎日より、痛みをきちんと抑えて大切な毎日を過 ごす方がよいという考えです。
麻薬というと「依存性」や「退廃」などの悪いイメージがつきまとっているかもしれません。しかし、適正な量を医師の判断で使う限り、「幻覚」「妄想」「依存」などの症状はほとんどありません。
依存性」が問題になるのは、快感(陶酔感)を得るほどの多量の麻薬を連続して使ったときです。

Q:麻薬は覚醒剤とは違うのですか?

A:「薬物乱用」が社会問題になっていますが、ここで問題なのは麻薬ではなく、覚醒剤です。麻薬は医療機関で厳重に管理されており、日本では乱用される状況は、まずありません。一方で覚醒剤は非合法的に出回り、問題になっています。
覚醒剤はおもに注射され、瞬時に強大な快感をもたらします。末端価格は0.1gで1万円以上します。
覚醒剤を使用すると、瞳孔は開き、呼吸数は急激に上がり、心臓はまさに早鐘を打ち鳴らすようになり、粘膜は乾ききってしまいます。使用者は、無限の力を得 たように、何ごとも意のままにあやつることができると感じるのです。
しかし24時間たてば、やがてエネルギーはしぼんでいきます。一気に不安と混乱に支配され、極度の疲労感と頭痛、動悸、錯乱などの症状が現れ、鎮静剤を使用することにもなります。
覚醒剤は、多量に使ってもそのために死ぬことはまれですが、妄想や幻覚で人を殺すことは十分あり得ます。また、一度でも使うと、禁断症状のような不安感や幻覚に一生おそわれることになります。
青少年が好奇心などから手を出すことがないよう厳重に注意する必要があります。

いつでも元気 2000.9 No.107

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