くすりの話

1997年11月1日

くすりの話 11 ドリンク剤で“元気一発”?

Q:私はとても疲れやすいのです。栄養ドリンク剤のコマーシャルを見て、ほんとに元気になるならためしてみたいのですが。

A:栄養ドリンク剤についての質問です。次のどれが正しいと思いますか?
(1)一時的には元気になる
(2)毎日飲むと体力が増す
(3)ビジネスマンにはいいが、女性には効かない

これは、私たちの班会メニューの紙芝居「健康食品のウソ?!ホント」の1コマです。答えは(1)。
栄養ドリンクは、成分によって2つにわかれます。ひとつは、ビタミンB類を主体に、肝臓を守る成分とカフェインやアルコールなど興奮作用のある成分を少量 加えたもので、グロンサン、リゲインなどがこれにあたります。
もうひとつは、さきの成分に滋養強壮作用のある生薬成分を加えたものです。ギネスゴールド、ユンケルなどがそうです。後者の方がぐーんと値がはります。
栄養ドリンクといっても、おもにはビタミンB類の補給剤と考えた方がいいようです。
興奮成分のために、一時的に気分は高まりますが、栄養ドリンク剤だけを毎日飲んでいいても体力はつきません。基本的にはバランスのとれた食事と適度な睡眠、運動が体力増強の一番の近道です。
食事や睡眠、運動に気をつけていても、だるさがとれない、食欲がないなどの症状がつづくときには、医師に相談してください。思わぬ病気が隠れているかもしれません。
ドリンク剤の売り上げが、日本の大衆薬市場の30%をしめる現状の背景には、サラリーマンをはじめとした現代人の長時間過密労働や、薬に頼らずにはいられ ない健康への不安があるのではないでしょうか。

Q:健康食品というのは、本当に体にいいのですか?

A:健康食品に明確な定義はありませんが、健康の維持や増進、病気の予防を目的とした食品ということで、一般の食品と同じあつかいです。玄米やプルーンも健康食品として売られます。
薬の場合、売り出すまでに何段階もの試験をして有効性と安全性を確認し、使い方や使う量を決め、厚生省の許可を得ます。
しかし、健康食品には量や使い方などの規制がありませんし、薬ではないので治療効果を表示してはいけないことになっています。
以前、ゲルマニウム含有飲料の取りすぎで、娘を亡くした母親から相談を受けたことがります。もともと腎臓病があり、医師に相談せずに飲みつづけたため、悪 化させて亡くなったのです。床の間には高価な健康飲料がいっぱい残っていたそうです。使用量の規制がないために、たくさん飲むほど健康にいいと思ったので しょうか。
医師の処方した薬を飲まないで、高価な健康食品を使っている患者さんがときどきいます。私たちも患者さんに、健康食品の利用についてアンケートをとったこ とがあります。結果は、健康や病気の治療にいいからと27%の患者さんがロイヤルゼリー、クロレラなどを利用していました。利用のきっかけは、患者さん同 士の口コミによることが多いようです。
玄米や玄米茶程度ならいいでしょうが、薬まがいの健康食品は要注意です。

いつでも元気 1997.11 No.73

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