くすりの話

1997年1月1日

くすりの話 漢方薬~小柴胡湯(しょうさいことう)の危険

Q:以前、「漢方薬『小柴胡湯』の副作用で死亡者」という報道がありました。漢方薬でも死にいたるなんて、こわいなあと思ったのですが…。

A:小柴胡湯の証(しょう)は「体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔(ぜったい)を生じ、口中不快、食欲不振、ときに微熱、悪心などがある場合」ですが、 証とは関係なくても、肝機能障害や慢性胃腸障害に広く使われている漢方薬です。生産最高時の92年は生産額445億円で、全漢方薬中の24%を占めるほど でした。
91年ころから小柴胡湯の副作用による間質性肺炎が報告され、注意が喚起されました。その後も副作用報告がなくならず、94年にはインターフェロンとの併 用が禁止されています。それでもなお間質性肺炎になって死亡するケースもありました  肺炎は一般に細菌感染でおこり、肺胞に炎症をおこしますが、間質性肺炎は薬剤などによって、肺胞だけでなく末端の気管支までまきこんだ慢性炎症です。
小柴胡湯の間質性肺炎の発生はアレルギー作用によると考えられており、他の漢方薬でもおこっていす。報告があるのは大柴胡湯(だいさいことう)、半夏瀉心 湯(はんげしゃしんとう)、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、清肺湯、柴苓湯(さいれいとう)などです。また、慢性肝炎に効くからと証に関係なく誰にで も小柴胡湯を使いすぎていることも原因のひとつであると主張する漢方医もいます。小柴胡湯による間質性肺炎を生じるのは2万5千人に1人であり、他の西洋 薬にくらべ頻度は少ないものです。いずれにしても、これらの薬剤服用中に発熱、乾いた咳、呼吸困難が現れたらすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

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Q:漢方薬と民間薬、健康食品の違いを教えて。

A:漢方薬は1種類から数種類の生薬を組み合わせて、漢方医学の診断方法にもとづいて使います。ですから、漢方薬の使用にあたっては専門家に相談しなければなりません。
民間薬は民間に伝わる薬のことで、22ページで紹介している薬草も民間薬の一種ですし、「薬になる身近な野菜」(21ページ)も民間療法の一種です。「お ばあちゃんの知恵袋」というところでしょうか。一般的には1種類の生薬を使います。
健康食品というのは、「健康にとくによい」として売り出された食品で、値段が高いのが特徴です。でも食品というのはすべて、健康を保つために何らかの役割 を果しているわけで、大切なのはバランスよく食べることです。だまされてはいけないのは、悪質な健康食品です。

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