民医連新聞

2017年3月21日

知る 見る “安倍社会保障解体” (7)年金 際限なく年金額引き下げ支給年齢引き上げ 一部停止も

 安倍政権の社会保障解体政策を読み解く連載。最終回は年金です。昨年末の「年金カット法」に続き、支給開始年齢のさらなる引き上げ、一定の所得以上の人の年金は支給停止など、「老後の安心」を破壊するような改悪が狙われています。(丸山聡子記者)

 昨年末、年金カット法が、自民、公明、維新の党の賛成で成立しました。将来の世代まで年金不安を引き継ぐ内容です。

減り続ける年金

 最大の問題点は、「賃金マイナススライド」と呼ばれる仕組みを導入したことです。年金額は、時々の物価や賃金の水準に合わせて決まります。それがこの方式では、物価の下げ幅より賃金の下げ幅が大きい場合は、賃金に合わせて年金を減額。物価が上がっても賃金が下がった場合は賃金に合わせて減額―。どんな場合でも低い方に合わせて年金額を引き下げるというもの。直近一〇年の賃金を見ると七回マイナスになっているため、これを当てはめると年金は三%減額となります。基礎年金は二〇四〇年度まで下げ続けることになっていますから、年金額は二重に目減りしていきます。
 一九年には消費税一〇%増税の予定も。増税で賃金は実質マイナスで年金も減額。年金生活者は増税と収入減のダブルパンチです。
 国民年金の平均受給額は月五万円。四〇年間納付して満額でも六万五〇〇〇円です。全受給者のうち、年金収入が月一〇万円未満の人が七割超を占めます(二〇一四年度)。六五歳以上の単身高齢者の平均支出は月約一四万円(総務省「家計調査」二〇一三年速報値)で、ひとり暮らしの高齢者の多くが毎月数万円の赤字です。これを裏付けるように、日本の高齢者の就業率は二〇・一%で、OECD諸国でも突出しています。半数が「収入がほしいから」と答えています(内閣府調査)。
 低年金は高齢者の貧困の大きな原因で、年金額の引き上げや最低保障年金の創設こそ必要ですが、年金カット法は逆行しています。

支給開始はさらに遠く?

 日本老年学会は一月、高齢者の定義を現在の「六五歳以上」から「七五歳以上」に引き上げることを提言。社会保障制度への影響を危惧する声も広がっています。
 安倍内閣の「社会保障改革」工程表では、「一定所得(五五〇万円)以上の人の基礎年金の一部支給停止」「年金支給開始年齢の六六~七〇歳への引き上げ」について、二〇一九年をめどに検討していくとしています。

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 安倍政権が出した二〇一七年度予算案では、軍事費は過去最大の五兆一〇〇〇億円にのぼります。一方、社会保障費は自然増分一四〇〇億円の削減です。
 全日本民医連は、戦争政策と社会保障解体を一体ですすめ、憲法を踏みにじる安倍政権と対決し、個人の尊厳を守るたたかいにとりくもうと呼びかけています。
(連載おわり)

(民医連新聞 第1640号 2017年3月20日)

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