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2017年6月8日

安心して住み続けられるまちづくり・山梨 「同世代でおしゃべりしたい」働くお母さんが班を結成

文・宮武真希(編集部)  写真・野田雅也

 巨摩共立病院(南アルプス市)に事務局を置く峡西健康友の会には、在2800世帯が加入しています。
 一昨年10月、仕事を持つお母さん6人が班を結成。
 「おしゃべりしたい」「健康や社会のことを知りたい」という要望に応える活動を続けています。

 巨摩共立病院の職員・五味千枝さんは3年前、医事課から共同組織課に異動。友の会担当となり「自分の居住地で私も活動してみよう」と思い、同じ自治会の同世代(50代)のお母さんたちに声をかけてみました。
 最初に声をかけたのは、斉藤郁子さん。「子どもも成長して子育ても一段落したことだし、ゆっくり話をする時間がとれる。同世代でおしゃべりができる場がほしいね」と2人の思いが一致。近所に住んではいるものの、仕事と子育てに忙しく、これまでじっくり話す機会がなかったお母さんたちに声をかけ、6人が集まりました。
 2015年10月に班を結成、南アルプス市の名前にちなんで「みなみっこ班」と命名しました。班長は斉藤さん。無理なく続けられるようにまずは3~4カ月に1度のペースで、五味さんの自宅の一室で開いています。

班会は平日の夜に開催

 班会を開くのは平日の夜、夕食の支度をすませてから。毎回テーマを設け、講師を招いて学習会を行います。
 4月11日火曜日の午後7時すぎ、この日は5人が集まりました。学習会のテーマは「このごろ食べ物や薬が飲み込みにくくて」という班員の声がきっかけで決まった「嚥下障害」です。
 巨摩共立病院から言語聴覚士・原田史佳さんを講師に招き、「嚥下とは何か」「飲み込みを改善する嚥下体操」や早口言葉を学んで、早速みんなで実践。「これは顔のシワ予防にも効果がありそうね。でもね、良いと分かっていても、なかなか続かないんだよねぇ」とつぶやく小野ひとみさんの言葉に、みんな大笑い。
 原田さんは「しゃべって大笑いすることも、嚥下体操になるんです。班会でたくさんしゃべって笑ってくださいね」とアドバイスしました。

左から職員の五味さん、田中さん、五味君香さん、小野さんと班長の斉藤さん

左から職員の五味さん、田中さん、五味君香さん、小野さんと班長の斉藤さん

いろんな情報を伝えられる場に

 これまで7回の班会を開いてきたみなみっこ班。続けるなかで「健康を維持するためにいろんな病気のことを知りたい」「社会で起きていることも詳しく知りたい」など、「もっと知りたい」という思いが募ってきました。
 そんな時、「こんな雑誌があるけど、読んでみない?」と五味さんが紹介したのが『いつでも元気』。見本誌を手渡すと「これはいいね」と6人全員が購読することに。「親の介護や認知症のことが気になる年齢でしょ。そういうことを知っておきたいと思っていたので、役に立っています」と田中恵理子さん。『元気』は班会でも話題になります。五味君香さんは「自分は興味なかったことでも、こうやって集まって話せば興味を持つ機会になる」と、満足そうです。
 政治や社会のことも話題にあがるようになり、同市での実現を目指して民医連も運動していた「18歳までの子ども医療費無料」を求める署名にも協力しました。今年4月から実現したことを、みんなで喜んでいます。
 「班をつくってよかった。健康のことだけでなく、政治や社会のことなど、いろんな情報を伝えられるし、みんなに喜んでもらえる。私自身も学びたいことを学ぶ場ができて嬉しい」と職員の五味さん。次回は7月。食中毒をテーマに学習会を予定しています。

いつでも元気 2017.6 No.308

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