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2018年6月19日

きかせて! 職場づくり 茨城・デイサービスセンターさかど 「キラキラカード」で思いを見える化 安定した職場をめざす

 茨城・デイサービスセンターさかどでは昨年、職員の意欲や人間関係を向上させることで安定した職場を実現しようと、職員同士がよいところを伝え合う「キラキラカード」にとりくみました。実施後のアンケートからは一定の効果がみられ、さらなるとりくみにも発展しています。介護職の渡辺麻美さんに聞きました。

 当センターは、居宅介護支援事業所や老人在宅介護支援センターとともに軽費老人ホーム「ケアハウスみと」に併設しています。昨年、離職者が相次いだ時期があり、人員不足で職員体制が整わないことが原因で、処遇の質の低下、職員の業務量や精神的な負担の増加がみられました。
 職員の体制は安定した職場を運営する上で欠かせない条件です。どうしたら働き続けられる職場になるだろう―。当センターの職場会議で話し合うと、「教育」「モチベーション」「良好な人間関係」が離職を防ぐのではないか、それらを円滑に保つとりくみをしよう、と意見がでました。
 そこで、職員同士がよいところを伝え合う「キラキラカード」にとりくむことにしました。

■信頼関係が深まった

 「キラキラカード」とは、業務中に気付いた職員のよいところや感謝したいことなどをカードに書き、個別の封筒に入れて当人に渡す、というもの。受け取った人には、後から見返せるよう個人ノートに気持ちを書き留めることをすすめました。とりくみの対象者は、介護職六人、看護職三人、運転手一人を含むセンターの当時の職員一〇人で、期間は二〇一七年二月六~一六日としました。
 期間終了後、無記名でアンケートを行うと、「褒められて嬉しかった」「形に残るから嬉しい」という声とともに、積極的な受け止めが目立ちました()。
 「自分の声かけや行動で相手の気持ちに変化があったと思うと働きがいを感じる」「素直に嬉しくて意欲がでた」など、モチベーションが向上したという回答は七割にのぼりました。人間関係についても、「利用者だけでなく職員の働きにも目を向けることができ、互いに助け合うことができた」「認め合うことで信頼関係が深まった」「距離が近づいた」という回答が多くありました。
 一方、「書く時間がない」「実施期間が短い」というデメリットも判明。「いつも通りの仕事をした」「普段話し合えない雰囲気や人間関係ではない」など、特に変化は感じなかったという回答もありました。
 とりくみの継続については、「どちらともいえない」が六割でした()。理由は、対象者が普段から声をかけ合えるデイ職場内に限られ、カードがなくてもよいところを伝えられる関係性があったこと、「書く時間がない」という声に象徴される通り手間がかかることにあったようです。

■とりくみ経験を生かす

 アンケートの結果から、互いに褒め合い感謝し合うことを通じ、モチベーションや職員間の信頼関係の向上に一定の効果があることがわかりました。実は日常的に行っていた仲間への感謝も、形にすることで再確認できたと感じます。
 こうしたとりくみの継続で、職務への意欲の向上、サービスの質の向上、離職率の低下など、安定したよい職場づくりにもつながるのではないかと考えます。
 その後、今回の経験を生かし、もっと簡単な方法で、かつ「ケアハウスみと」全体で行えるとりくみとして、あいさつ運動も行いました。笑顔で気持ちのいいあいさつをくれた相手に印を付けるとりくみを通じ、接点の少ない職員間でも良好な関係づくりがすすんでいます。
 今後も、職員がキラキラしている瞬間を職場全体で共有し、職場づくりに生かしていきたいと考えます。

【職場データ】

(事業所)デイサービスセンター
デイ利用者数:30人/日
(職員)
正規7人、非正規3人
職種:介護職6人、看護師2人、PT1人、運転手1人
経験年数:1年~5年目
年齢層:20代4人、30代2人、50代2人、60代2人


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(民医連新聞 第1670号 2018年6月18日)

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