民医連新聞

2018年7月3日

ひめは今日も旅に出る (7)「ピンピンコロリはやめられない」

 今後の目標は? と問われ、ピンピンコロリ! と即答する私を、夫も友人も、ちょっとそれはもう無理だわ、と笑った。しかし、身体は不自由になっても、心がピンピンしていれば、きっと自分の人生を愛することができる。どんなに笑われても、私の大事な目標だ。
 そのために、数少ない趣味を思う存分楽しむことにした。私の趣味はたったの2つ。お料理と旅だ。
 お料理は、ヘルパーさんにお気に入りの旬の味を伝授して、作ってもらうことにした。うちで作ったら子どもが大喜び、利用者さんに大好評だったわと、私の簡単野菜レシピが大人気。今日は何つくる? とヘルパーさん相手に、お料理教室さながらの毎日。私が食べたいものを作ってもらっているだけなのに、思いのほか喜んでもらえるなんて。ほくそ笑む私。
 旅は、眺めたい風景、訪れたい街に、ともかく出かけることにした。
2016年11月、42回目の誕生日祝いも兼ねて、夫と宮古島へ。その昔、通いつめた沖縄の離島のなかでも、宮古ブルーと言われるほど美しすぎる海がいっぱい。その海をゆったり眺めながら、のんびり過ごした。
 まだ自立歩行できたが、長距離は困難になったため、初めての車椅子旅行。空港やホテルも含め、不便さを感じることはなかった。しかし、車椅子の私に向けられる視線の多さに驚くとともに、どこに行っても周りに謝ってばかりで気疲れした。
 12月は女子旅。もうひとつのお気に入り、青森へ。幾度となく女子旅を楽しんだ青森は、豊かな自然と文化、豊富な温泉と食の恵みを堪能できるのが魅力。現地で大切な友人との再会も果たした。大浴場で背中を流してもらい、温泉に一緒に浸かり、いつものごとく笑い転げた。
 車椅子の旅も2回目。少々の視線に動じることなく、雪の青森を満喫した。帰りの機内でみた、夕陽に照らされた富士山の美しさも忘れられない。
 ALSでも旅を楽しめる! という自信につながり、帰り道に来春の旅相談。がんばれ、私のカラダ。春よ、早くこいこい♡


文●そねともこ。1974年生まれ、岡山県在住。夫・長久啓太、猫2匹と暮らす。2016年、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断をうける。

(民医連新聞 第1671号 2018年7月2日)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ