医療・看護

2018年12月18日

ひめは今日も旅に出る(18)「歓喜の秋」

 待ちに待った秋。胸が高鳴る。わくわくどきどきしながら冒険できるしあわせに感謝。
 2017年10月、富士山を眺めに出かける。久しぶりの三姉妹旅。河口湖畔に泊まり、寝ても覚めても富士山を拝むことができ感激。雄大な富士は秋の花々とともに眺めるのがいちばんステキだった。妹たちとあれやこれやのおしゃべり。あっという間の楽しい時間。お宿でスカイリフト(移乗のリフト)を準備していただいたおかげで、疲れ知らずのラクラク旅。
 11月はしまなみ海道へ。お天気に恵まれ、ぽかぽか陽気。海辺に響く穏やかな波の音、柑橘類のさわやかな匂い、キラキラ光る海。吹き抜ける風の心地よさ、満月が映し出す幻想的な海上の月あかり。うっすら夜が明けていく空の美しさ、朝もやひろがる瀬戸内の島々。深まる秋を全身で味わいながら、仲間とともに過ごしたぜいたくなひととき。大浴場で海を眺めながらの朝シャワーは気分爽快。大好きな瀬戸内の魅力をあらためて心に刻む旅だった。
 そして、“ひめ会”のゆかいな仲間たちが1年ぶりに集結。わが家の庭で炭火をおこし、さつまいもを放り込んで焼き芋タイム。そして、ピンポーンとベルが鳴り、土佐のカツオを受け取る。炭を少し足してわらを入れ、新鮮なカツオをあぶる。カツオのわら焼き、一節ごとに腕があがる。海の幸のパエリア、レモン鍋、美味しすぎる秋の恵みを堪能。お子さまも連れてにぎやかにつどい、お互いの近況報告に大笑い。ごちそういっぱい胸いっぱいの休日。
 生きている手ごたえにつつまれる時間。日々出会う喜怒哀楽も、生きているからこそ味わえると思うと、愛おしい。


文●そねともこ。1974年生まれ、岡山県在住。夫・長久啓太、猫2匹と暮らす。2016年、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断をうける。

(民医連新聞 第1682号 2018年12月17日)

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