いつでも元気

2019年4月2日

まちのチカラ・千葉県白子町 
テニスと温泉で健康づくり

文・写真 牧野佳奈子(フォトライター)

7万7000本のチューリップが咲き誇る「白子町花の広場」(白子町提供)

7万7000本のチューリップが咲き誇る「白子町花の広場」(白子町提供)

 九十九里浜に面し、年間を通じて穏やかな気候に恵まれる白子町には、民営のテニスコートが300面以上も。
 コート併設の各ホテルでは、筋肉痛などに効く白子温泉にゆったり浸かることができます。
 春はもうすぐ。
 潮風に吹かれながら、スポーツの旅に出かけませんか?

シニア世代もグラウンドゴルフ

 白子町でテニスコートの整備が始まったのは1975年。当時の民宿組合がテニスの盛んな軽井沢を視察。冬でも暖かい白子町でテニスを楽しんでもらおうと、次々とコートを開設し大学生のサークルを中心に合宿を誘致しました。
 ちょうどテニスブームだったこともあり、ピーク時は町内400面のコートに年間40万人が訪れたそう。今でも子どもから大人まで30万人以上のテニスプレーヤーが全国各地から訪れます。
 近年はテニスだけでなくフットサルやグラウンドゴルフなど、各種スポーツを楽しめるよう施設の多目的化が進んでいるとのこと。「白子町温泉ホテル協同組合」の篠崎昌治さんは、「特にシニア世代の利用が増えています。卓球やダンスのほか、広いグラウンドで吹き矢を楽しみたいという方もいますよ」とにっこり。
 ホテルからの無料送迎バスもあり、成田空港はもちろん関東圏であれば指定の公民館などにも迎えに来てくれるそう。送迎と食事、温泉付きで1万円強というお得さも人気の秘訣です。
 夏になれば、すぐ近くにある海水浴場も若者や親子連れでいっぱいに。まさにスポーツパラダイスの白子町に来れば、心も体も健康になること間違いなしです。

約300面のテニスコートと九十九里浜(白子町提供)

約300面のテニスコートと九十九里浜(白子町提供)

ヨウ素を含んだ“黄金の湯”

 スポーツの後に入る温泉は格別ですよね。白子温泉には、さらに嬉しい効能が。
 九十九里浜のほぼ中央に位置する白子町周辺は、地下2000mの地層に天然ガスが多く埋蔵されています。天然ガスと一緒にくみ上げる温泉にはヨウ素が含まれており、薄く黄味がかっていることから“黄金の湯”と称されます。ヨウ素は殺菌作用があることから、うがい薬や消毒剤にも使われています。
 ヨウ素を多く含む白子温泉は、保温効果が高いため筋肉痛を和らげるほか、アトピー性皮膚炎や切り傷を癒す効果も。さっそく効果を実感する出来事がありました。たまたま浴場で軽いけがをして出血したのですが、湯をかけて10秒もたたないうちに血が止まったのです。聞けば日本はチリに次ぐヨウ素産出国。そのうち8割が千葉県で生産され、欧米をはじめ世界各国に輸出されているそうです。
 世界的にも珍しいヨウ素を含む温泉で、日頃の疲れと傷を癒してはいかがでしょうか。

太平洋を眺めながら"黄金の湯"につかれる白子温泉(白子町温泉ホテル協同組合提供)

太平洋を眺めながら"黄金の湯"につかれる白子温泉(白子町温泉ホテル協同組合提供)

生でも甘い白子たまねぎ

 町の健康ブランドはまだまだあります。肉厚ジューシーで甘みが強い「白子たまねぎ」もそのひとつ。水はけが良い土壌で潮風を受けて育つため、甘くて大きいのが特徴です。水にさらさなくても辛くないため、毎年5月の「白子たまねぎ祭り」(今年は5月12日開催予定)では、生たまねぎの早食い競争に小さな子どもが出場するほど。地元の人たちも「たまねぎはスライスして、そのまま醤油と鰹節で食べる」のが習慣だそうです。
 5月の収穫時期には町内約50カ所で「たまねぎ狩り」もできます。昨年は10kg1000円とあって、1カ月間で8000人以上が訪れる人気ぶりでした。掘って楽しい、食べて美味しい、血液もサラサラになって一石三鳥ですから、たまねぎ好きにはたまりません。
 また、白子町商工会は23年前に「たまねぎワイン」も開発。たまねぎから抽出したエキスとブドウのしぼり汁をブレンドして発酵させた赤ワインで、たまねぎが30%分も含まれている健康飲料です。
 気になるお味は、いかにも体に良さそうな…ワインというより健康酒といった風味。地元の酒屋で売れ行きを尋ねると「話題性のあるお土産として購入される方もいますが、毎年ケースで注文される愛飲家も多いんですよ」とのこと。
 食べて良し、飲んで良し。疲労回復に高血圧防止、糖尿病の改善など、たまねぎパワーを毎日摂取できます。

白子たまねぎ祭りでも大人気の収穫体験(白子町提供)

白子たまねぎ祭りでも大人気の収穫体験(白子町提供)

九十九里名物太巻き寿司

 九十九里地方では、冠婚葬祭で豪華な太巻き寿司を作る文化があります。ちょうど取材日に農協女性部が年1回の講習会を開くと聞き、お邪魔させてもらいました。
 この日作ったのは、バラとサザンカの太巻き寿司。約30人の女性が手際よく下ごしらえをした後、講師の御園悦子さんが巻き方を披露しました。淡いピンクに着色したご飯と寿司飯、紅生姜、薄焼き卵と厚焼き卵、野沢菜、細切り人参、海苔がテーブルにずらり。
 まず花びらになる部分を細巻きにした後、大きめの海苔に寿司飯を敷き、細巻きと野沢菜などを並べます。部分的に寿司飯を盛り上げて細長い溝を作ったり、海苔をシートのように被せてさい箸でギュッギュッと押さえたり。最後にヨイショと巻きすを丸めて、いざ包丁を入れると…。「わぁ!」と思わず歓声が上がるほど、華やかな“花”が咲いていました。
 「他にもタンポポやガーベラなどいろいろな作り方がありますが、最初はサザンカがいいんじゃないかな。多少失敗しても見栄えがいいからね」と御園さん。
 醤油はつけず、そのまま食べてちょうど良い味加減。もちろん食べ応えも十分です。手間暇かけて作られた逸品だからこそ、愛情が感じられて心もホカホカに。太巻き寿司の作り方は、市販のレシピ本も多数あるので挑戦してみてください。

太巻き寿司の花模様の作り方を学ぶ農協女性部の皆さん

太巻き寿司の花模様の作り方を学ぶ農協女性部の皆さん

白亀に乗った白蛇

 最後に白子町の名前の由来ともいわれる白子神社に行きました。白子ではその昔、白亀の上に乗った白蛇が漂着し、驚いた村人が「神様ならお登りください」と柄杓を差し出したところ登ってきたため、神と崇めて合祀したと伝えられています。
 境内に入ると、手水舎に蛇と亀の石像が。拝殿の右脇にも置物があり、蛇の頭をなでながら祈願できるようになっています。白蛇はもともと縁起が良く、神の使いともいわれている稀少動物。ここでは縁結びの神様としても崇められています。
 3月30日~4月7日には神社から徒歩10分の「白子町花の広場」で、7万7000本の鮮やかなチューリップが咲き誇るチューリップ祭りが行われます。チューリップの花言葉「思いやり」を持って、出会いの春を迎えたいものですね。

白亀と白蛇の伝説が残る白子神社

白亀と白蛇の伝説が残る白子神社

■次回は高知県いの町です。


まちのデータ

人口
1万1364人(2019年2月1日現在)
おすすめの特産品
たまねぎ、ガーベラ、落花生
芋焼酎など
アクセス
JR茂原駅から車で約20分
連絡先
白子町観光協会 0475-33-2117

いつでも元気 2019.4 No.330

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