声明・見解

2019年10月2日

【声明2019.10.01】消費税率10%への大増税強行に抗議する。

2019年10月1日
全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛

 本日、政府は多くの国民の反対、不安の声を無視して消費税率を10%に引き上げる大増税を強行した。格差と貧困の広がりの中でさらに深刻になる暮らし破壊への懸念、複雑な制度への不安の声など全てを無視した政府の姿勢に断固抗議するものである。
 消費税は1989年「社会保障のため」という理由で導入され31年が経った。
 この31年で明らかになったことは、消費税が「社会保障のため」でなく、大企業と富裕層の減税の「穴埋め」に使われてきたことである。その中で、政府は、社会保障に対する国の責任をあいまいにし、制度を破壊、社会保障費の削減を続けてきた。
この31年間で消費税収は397兆円、ほぼ同時期に法人3税の税収は298兆円減り、所得税・住民税の税収も275兆円減っている。政府が、大企業と富裕層への減税・優遇税制が税収を大きく減らし続けたためである。

 また、消費税は、貧困と格差の拡大に追い打ちをかけてきた。そもそも所得が低い方ほど重い負担がのしかかる税制が消費税である。この消費税の宿命的な害悪は、是正することはできない。全日本民医連が2005年から毎年行っている「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」の2018年の調査では、経済的な困難から治療が手遅れになる事例が全国から77件寄せられた。また地域には孤立死、孤独死などのように医療機関にかかることすらできずに亡くなっている事例も存在する。
 国民の多くが憲法25条に保障された生存権が脅かされ、ぎりぎりの生活を強いられる中、消費税増税を強行すれば健康で文化的な最低限度の生活はますます遠くなり、中小企業の負担は深刻な状況になることは明白である。

 全日本民医連は、社会保障の財源は、負担能力に応じて負担する「応能負担の原則」にもとづいて行う事、そのためにも最も不公平な税制である消費税に頼るのではなく、大企業と富裕層への優遇、不公平税制を見直し、応分の負担をさせる事を国に求めてきた。消費税率10%引き上げに断固抗議するとともに、幅広い共同の輪を広げ、国と企業の責任を明確にし、権利としての社会保障を実現するためにひきつづきたたかう決意である。

以上

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