声明・見解

2021年2月24日

【声明2021.02.22】生活保護基準引き下げ違憲訴訟大阪地裁判決について歓迎する

2021年2月22日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 国は2013年から2015年にかけて、生活扶助基準(生活保護基準のうち生活費部分)を平均6.5%、最大10%(年間削減額670億円)引き下げました。この生活保護基準引き下げの取消等を求め、全国29都道府県の1,000人を超える人が原告となって「いのちのとりで裁判」をおこしました。

 2021年2月22日、大阪地方裁判所第2民事部(森鍵一裁判長)は、原告らの国家賠償請求は棄却したものの、2013年から厚生労働省が実施した生活保護基準の引き下げは生活保護法3条、8条2項の規定に違反し、違法であるとして生活保護基準の引き下げを取り消す判決を言い渡しました。

 判決では、厚生労働大臣が減額改定した根拠である2008年を起点に取り上げた物価の下落、生活扶助相当CPIについて合理性を欠くものと判断しました。そして、最低限度の生活の具体化に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があると指摘し、厚生労働大臣の裁量権の範囲の逸脱又は濫用があると断じました。

 本判決は、原告らの厳しい生活実態を受け止め、国が行った引き下げについて裁量逸脱を認めるものであり、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障する画期的な判決です。

 全日本民医連は、大阪地裁判決を支持するとともに、国に対し、控訴せず本判決を速やかに確定させ、生活保護基準を2013年引き下げ前の基準に直ちに戻すことを求めます。
 私たちは、国が最低生活基準の底上げをはかり、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を求めて、引き続き広範な人々とともに、たたかいを進める決意です。

以上

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