声明・見解

2021年3月19日

【声明2021.03.19】水戸地裁の東海第二原発の運転不許可の判決を支持し、すべての原発廃止を求める

2021年3月19日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛

 日本原子力発電東海第二原発の運転差し止めを求めた訴訟で、水戸地裁は2021年3月18日に「実効性ある避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」として運転を認めない判決を下した。
 東海第二原発は、首都圏唯一の原発で、30km圏内には14市町村があり94万人が暮らし原発立地地域では最多の人口となっている。避難計画策定が義務付けられている県と市町村のうち策定済みなのは県と5市町のみで、いずれも住民の安全確保に課題がある状態である。そもそも、94万人を一斉に安全に避難させることは相当な困難を伴う。これらの状況から判決は住民の生命や身体に深刻な被害を与えかねず、人格権侵害の危険性があるとして運転を認めなかった。
 10年前の東京電力福島第一原発事故でも避難の遅れが住民の被曝につながった。人口密集地域ではさらに大きな被害が想定されることは明らかで、さらに地震や台風などの複合災害を想定すると安全な避難計画はほぼ不可能である。
 福島第一原発事故で想定を超える災害で原発は事故を起こすことが証明された。福島での教訓から事故の際の安全な避難計画無き原発稼働は決して許されない。これは東海第二原発に限らず全国すべての原発にいえることであり、国と原発を保有する電力会社はこの判決を受け止め原発を廃止すべきである。
 日本原子力発電には水戸地裁の判決を受け止め、控訴の断念を求める。また、政府は原発依存の政策を見直し、すべての原発を廃止し再生可能エネルギーへの転換を実現するために、原発ゼロ基本法の制定を強く求める。

以上

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