民医連新聞

2022年3月8日

乳腺外科医師えん罪事件 最高裁が有罪判決破棄差戻し無罪判決勝ち取る運動強化を

 2月18日、乳腺外科の術後に患者へ執刀医がわいせつ行為をしたとして罪に問われた事件で、最高裁第2小法廷は、有罪とした高裁判決を破棄し、差戻しを命じました。判決後、弁護団は記者会見を行い、主任弁護人の高野隆弁護士は「最低限、えん罪が確定することを防げたことを喜びたい」と話しました。
 判決では、高裁での検察側証人の証言が「医学的に一般的なものではないことが相当程度うかがわれる」とし、せん妄による幻覚を否定できないことを認めました。同様にDNA定量検査についても、その内容や手法に疑問があることを指摘しています。最高裁はこの検査について「十分に検証されていない」として、差戻しを命じました。しかし、科捜研は検査資料をすでに廃棄しており、これ以上詳細な検証は不可能です。
 高野さんは「高裁判決の証言や証拠に、大きな疑問があることを認めながら無罪判決にせず、差戻しを命じた。原則に反する無罪立証について個人に多大な負担を強いる非人道的な判断だ」として、厳しく批判しました。
 記者会見後には、支援者への報告会が行われ、弁護団はこれまでの支援へのお礼と、無罪を勝ち取るためひきつづきたたかう決意を語りました。無罪判決に向けた署名が、2月16日時点で10万91筆となったことも報告しました。

(民医連新聞 第1755号 2022年3月7日)

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