民医連新聞

2022年8月16日

ビキニ被ばく労災不認定取消訴訟 東京地裁で第1回口頭弁論

 太平洋ビキニ海域で操業中に、米国の水爆実験で被ばくした高知の漁船員らが、後に発症したがんなどに船員保険の適用を求めた裁判の第1回口頭弁論が、7月26日、東京地裁で行われました。傍聴席には多くの被爆者の姿もあり、41人が裁判を見守りました。
 原告代理人の内藤雅義弁護士が意見陳述。1955年の日米合意により、第五福竜丸以外の、原告らのような被災船員の被害が切りすてられた事実や、その背景に核抑止政策の推進と原水禁運動の鎮静化企図、原子力の民生利用(原発)の推進があったことを指摘。核兵器禁止条約第2回会合までに求められている、核実験被害者に対する各国の援助内容の調査・報告について、「戦争被爆国である日本の対応は、世界から注目されている」と強調しました。
 続く報告集会では、裁判の進行協議で、「原告側の求めに応じ、今後、被告・全国健康保険協会が原告(船員)らの被ばく量、その他因果関係を否定する根拠などを明らかにすることが決まった」と報告され、支援者らが決意表明。内藤さんは「切りすてられた被災船員は高知だけでなく全国にいる」とのべ、事件を終わらせないたたかいの必要性を訴えました。
 高知地裁では、政治決着で米国に対する損害賠償請求権が失われたことに対し、国に損失補償を求める裁判も行われています。全日本民医連は東京・高知の裁判への支援を呼びかけます(カンパ送付先は、後日発出する通達参照)

(民医連新聞 第1766号 2022年8月15日)

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