民医連新聞

2022年9月6日

憲法カフェ ぷち⑪ 戦前回帰な自民党改憲草案

 自民党の「ホンネ」である2012年の改憲草案は、戦前回帰な内容です。それがよく表れているのが、天皇制と政教分離についてです。
 改憲草案は、(1)天皇を国の元首とすること、(2)国民が日章旗・君が代を国旗・国歌として尊重することを定めています。
 (1)は、象徴天皇制に逆行するものです。(2)が定められれば、君が代の起立斉唱などを強制して、思想や表現の自由を侵せることになります。他方で、天皇の憲法尊重擁護義務は削除してしまっていて、いずれも戦前への逆戻りです。
 次に政教分離について、現行は「国及びその機関は、宗教教育その他のいかなる宗教的活動もしてはならない。」とあるのを、草案は「いかなる」という文言をわざわざ削除した上で、「ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては」よいとし、例外をひろく設けています。大臣や議員が靖国神社へ参拝・奉納したり、特定の宗教団体の会合に出席・あいさつしたりしていますが、草案はこのような行為を「社会的儀礼」として可能とするものです。このような例外規定があると、なんでもかんでも「社会的儀礼」と言い張って行われるのは目に見えています。
 以上のように、草案には天皇制や国家神道への固執が見て取れます。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1767号 2022年9月5日)

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