民医連新聞

2022年10月4日

ひろがる交流とささえあい 分科会の報告から

 第15回共同組織活動交流集会の分科会で発表された活動報告から、2つの活動を紹介します。

SNSで若い世代とつながる

学童や食の安全通じた活動

群馬中央医療生協 館林支部

 群馬中央医療生協館林支部は、前橋市から50キロ離れ、近くの事業所からも車で40分のところにあります。
 支部結成前は200人の組合員で、活動は体操班が中心でした。しかし、コロナ禍で公民館が使えない状態になり、体操班の活動はストップ。組合員からは「たまり場がほしい」との要望が出され、地元企業の交流スペースに「ひまわり」を開設。週2回運営することになりました。生協本部から運営費の補助を受けるためには責任をもった支部づくりが必要になり、2020年9月に支部を結成。ボランティアの「あかるい未来ネット」、一般社団法人「館林くらしあそびの研究所」ともつながり、そのメンバーが医療生協に加入することになりました。
 「たてくら学童クラブ」は「館林くらしとあそびの研究所」が昨年4月から運営。あそびや食の安全を通じて、親や若い世代、地元の農家とつながれました。花笠音頭の練習、手洗い教室、ちぢみほうれん草の収穫体験も行いました。健康ウオーキングに子どもも参加できる企画を用意して、学童保育に声をかけると子どもと子育て世代が参加。子どもを真ん中にすえるとみんな元気になり、教育や子どもの支援、食の安全などに共感する世代も増えます。
 オープンチャット(インターネット上の公開交流)でもつながり、いままで医療生協を知らなかった人に活動がひろがっています。SNSは、若い世代とつながるきっかけ。子どもたちの未来をみながら活動していきます。(同支部の大塚紀夫さんの報告より)


子どもたちに明るい未来を

食料支援のとりくみ

愛知・名南会

 名南病院のある名古屋市南区と隣の港区は、市内でも貧困層が多い地域です。十分な食事がとれない、学校に行けない子どもが増えていると知り、名南会と名南会健康友の会は2016年、「ほんわか食堂」(子ども食堂)を始めました。しかし20年3月以降、コロナ禍で開催が難しくなったため、フードパントリー(食料支援)にとりくむことにしました。
 ほんわか食堂や、学習支援でかかわってきた家庭のほか、民生委員やスクールソーシャルワーカー、社会福祉協議会、区役所などから紹介を受けたり、名南病院で医療費の相談に来た家庭など、約120世帯を支援しています。大半がひとり親家庭です。子どもや保護者に障害がある、コロナで職を失った、収入が減ったなどの家庭もサポートしています。
 事例を紹介します。21年8月、フードパントリーを利用しているAさんから「今回は行けない」と連絡がありました。話を聞くと「ママがコロナ陽性になったが、近くに頼れる知り合いもいない、買い物にも行けない」とのこと。この家庭には、症状が軽快するまでの1カ月間、食品、食材、日用品を配達しました。
 スクールソーシャルワーカーから紹介されたある母子家庭は、子どもが不登校。何度か声をかけつづけたところ、20年8月、母親がパントリーに参加するようになりました。その後、子どもも少しずつ学校に行けるようになり、パントリーにも顔を出すように。母親は最近、表情が明るくなって、いろいろと話をしたり、相談をしてくれるようになりました。
 これからも地域の困りごとに寄りそい、将来を背負っていく子どもたちに、少しでも明るい未来を届けていきたいと思います。(名南会・松土敏子さんの報告より)

(民医連新聞 第1769号 2022年10月3日)

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