民医連新聞

2023年7月4日

憲法カフェ ぷち㉘ 同性婚を認める法制度を

 同性婚ができない現在の結婚のルールは、憲法違反か否かを争う全国各地での裁判。大阪地裁では合憲判決、東京地裁・福岡地裁では違憲状態との判決、札幌地裁・名古屋地裁では違憲判決がでました。特に、2023年5月の名古屋地裁判決は、戸籍上、同性のカップルの関係を保護する枠組みすら与えないのは、憲法14条と、憲法24条2項のいずれにも反するとしました。
 古くは、同性愛は精神疾患とされた時代もありましたが、現在は、性自認や性的指向もそれぞれが生まれながらにして持っている個性であり、自分の意思で選択・変更できないことがひろく知られています。
 今の日本には、同性カップルが家族になるための法制度が存在しません。これにより、大切な人との関係が公的承認を受けられず、その結果、戸籍上、異性同士の婚姻であれば受けられる保障を受けられない不利益に直面しています。これは、法の下の平等(憲法14条)に違反します。個人の尊厳に立脚して婚姻制度をつくらねばならないとする憲法24条2項にも違反すると言えるでしょう。
 多様な家族の形を国が立法によって認めることこそが、私たち一人ひとりが大切にされているという実感を得られる国になる道ではないでしょうか。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1786号 2023年7月3日)

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